誘拐

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「なぁ?このマグカップなんかどうだ?」 俺が次のところでそう呟くと、泉は既にその次のコーナーを物色中だった。 ちょっとくらいは聞いてくれてもいいと思うんだけどな。 そんな想いも虚しく、彼女の耳に届くことはなかった。 「はぁ、いいのがない」 そんなことを思っていると、泉が俺に助けを求めてきた。 「んー、いいのって言われてもなあ・・・」 そうして、俺も新たに物色を始めた。 物色を始めて一時間くらい、探したが、コーナーには様々なものがあったが、どれも亜梨香の好みに合うものではなかった。だが。 「ネックレス買いませんかー?」 ふとそんな声が聞こえてきた。
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