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時代劇で名奉行といえば、まず頭に浮かぶのは大岡越前守と、遠山の金さんのふたりであろう。
しかし最近では、ワンパターンに飽きたのか、いろいろな小説で根岸肥前守鎮衛(ねぎし ひぜんのかみ やすもり)の名前を目にするようになった。
ところで、この根岸肥前守鎮衛という人物は、いったいどういう人物だったのだろうか?
先に結論を言ってしまうと、鎮衛は、優れた奉行ではあったが、それ以上に“優秀な官僚”であった。
鎮衛の父親は、侍ではなかった。
鎮衛の父親は、金で御家人株を買って侍になったのである。
江戸も末期になってくると、侍の身分は金で買うことができた。
そして息子の鎮衛は、末期養子という制度を用いて、百五十俵取りの根岸家に潜りこんだ。
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