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その理由が「耳袋」だ。
鎮衛の名前は、奉行としての業績よりも、名随筆「耳袋」の作者として、後世に伝わったのである。
「耳袋」には、武士の心得から、世間を賑わす噂話、怪談じみた話から、ムカデが耳に入ったらどうするか、猫が喋ったなどという胡散臭げな話、風邪を治すおまじないなど、あらゆるエピソードが、ごった煮のように詰まっている。
この『みみぶくろ‐根岸肥前守・江戸咄‐』は、そのエピソードのひとつからはじまる。
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