クラス委員長のお仕事と生徒会

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そんなこんなで妙にテンションの高い結月に着いて行く。エレベーターに乗って六階へ。この校舎って結構高層階まであるんだな。たぶん初めて来たかもしれない。 「やっぱ生徒会室が優遇されるのはラノベでも常識ですよね、凄く見晴らし良好!」 「君は一体何を言っているんだ。でも確かに見晴らしはいいよね」 この校舎が高校の敷地の中心にあって一番高いからとても素晴らしい見晴らしだった。キャンパス中を見下ろす事が出来る。生徒会役員の特権ってやつか。 「それじゃあ時間も無いし早く入ろうか、開始時間まであと五分だからさ」 結構ギリギリだったんだ、他の人を待たすのは嫌いだから早く入ろう。目立ってしまうから。 「失礼しまーす……」 先に入った結月に挨拶は任せて僕は目立たないように静かに入った。が、そんな努力は無駄に終わった。中にいた人数は約40人、1クラスから二人来ているとして各学年に16クラスあるからクラス役員だけで32人。後は生徒会役員かな、前に立っているのは。 「やっぱ私たちが最後だったみたいですね」 比較的静かな生徒会室の中、委員会が始まるまで暇だったのであろう中の役員はほぼ全員こちらを見た。結月がもっと早く起こしてくれればこんな事にはならなかったのにとか思いつつも流石にその責任転嫁は酷いと考え静かに自分の組が書いてあるプレートの席に着く。注目から解放されたい、早く始まれ。 「それじゃあ3年2組も来て全員集まったから役員会議始めるね。今日の課題はみんな楽しみ卒業旅行についてです。みんな知っての通り僕たち3年の卒業旅行は……」 ああ、なんの話かと思ったら卒業旅行か。卒業旅行って普通は2年の時にするけど僕たちの時文化祭でちょっとした事件が起こってそれどころじゃなくなったなんだよな。主犯は僕なんだけど。それにしてもみんな前を向いて生徒会長の話聞いてるな、旅行行きたいけど行先は正直何処でもいいからな。京助や結月と行けばそれなりに楽しそうだし。 「……そんなわけでこれからプリントを回すからクラスの人に希望する行先を書いてもらうって方針で。因みに修学旅行の日程は11月、二年生の修学旅行が例年通り10月にあるからそれの翌月となりました。アンケートは来週の今日に集めるよ、なお海外は今回の旅行の範囲に入りません。何か質問は?」
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