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「あ、如月君。ちょっと話があるんだけど時間貰えるかな?」
そんな時だった。後ろから聞こえた声はさっきまでこの場を仕切っていた声だった。振り向くとそこにいたのは案の定、生徒会長さんだった。ん? 近くで見るとどこかで会った事あるか?
「朝は挨拶が疎かになってごめんね、仕事の途中だったからさ」
朝……
「ああ、新聞配達の」
朝のランニング中に出会ったのは彼か。千晶ちゃんの眼鏡もそうだけど制服着ているか私服を着ているかで印象変わる、朝彼が来ていたのはジャージだったから。
「あれ、気づいて無かったか。ごめんね、話しかけるの初めてなのに慣れ慣れしく話しかけちゃって。千晶ちゃんが最近良く君の事を楽しそうに話すからちょっと僕も少しテンションが上がっちゃってさ」
「生徒会長、今はその話はいいですから!」
「顔が赤いね千晶ちゃん。と、それは置いといて、僕は七衣純一(なないじゅんいち)、ご察しの通り東風高校の生徒会長。そして知り合いだと思うけどこっちは生徒会副会長の堺千晶ちゃんだ」
「久しぶりです如月先輩」
丁寧に頭を下げる彼女はまさに模範のような生徒だ、兄の真とは大違いだね。
「久しぶり千晶ちゃん。千晶ちゃんって生徒会だったんだね、凄いよ」
生徒会って聞こえは良いが絶対大変だ、就職や進学に有利になるみたいな話は聞くけどそれにしてもそれに見合わないぐらい大変だと思う、放課後とか早朝とか自分の時間を使ってさ。生徒会に所属した事が無いから完全にイメージで話してるけどね。
「い、いえ……そんな大した事はありませんから」
「千晶ちゃん赤くなってる」
「ちょ、会長、いい加減怒りますよっ!」
「冗談だって、ごめんごめん」
なんかうちの学校の生徒会は楽しそうだな。
「ところで如月君、さっきから横にいる佐倉さんは?」
「あ、結月いたんだ」
「おお、相変わらず恐ろしいくらいに切れ味のいい言葉だね! こんにちは七衣さん、知ってるだろうけど自己紹介、行っちゃうよ。私は佐倉結月、三味さんの彼女です」
……またこいつは嘘を。面倒になるから本当に止めてほしい。だけど男のサガからだろうか悪い気はしないんだよな。あと楽しみすぎだろ結月。
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