クラス委員長のお仕事と生徒会

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「少し話が長くなるかもしれないがお付き合いしてもらえると助かる。それにしても何処から話したらいいかな……如月くん、生徒会役員には先生方との交渉で僕ら学生の学園生活を豊かにする権利があるんだ。僕ら生徒会実行委員は二千人近い生徒の代表だからね。でも先生方もそう簡単になんでも聞いてくれるわけではない、あちらにも予算とかその他もろもろあるから。実際先生方も子供の話程度にしか聞いていないところがあるからね。そんな実態に苛立ちを覚えて十代前の生生徒会長の狩野さんと言うお方がとある生徒会の組織を作ったんだ。それが生徒会対教師用前線。通称、生徒会裏実行委員だ」 「そりゃまたずいぶんとあいたたたな名前を付けましたね」 「そうかな? もう随分と前の話だし僕はかっこいいと思うけどね。嫌じゃないよ、そういうセンス嫌いじゃ無いしね」 「結月、頼むから話を折らないでくれ」 「あ、ごめん。生徒会長さん、続きどぞー」 「うん。裏実行委員は先生と話を付けて有利に学生側が話を進めるように先生との話を付けるのが仕事なんだけどその裏実行委員会に是非三味君に入って欲しいんだ」 ああ、そう言うことか。軽そうに見えても流石は生徒会長、裏生徒会の役割を聞いてやっと僕が誘われた理由が分かった。意外に黒いかもしれない、この生徒会長。 「納得、七衣が僕を誘った理由はなんとなく分かったよ。意外におなかの中真っ黒だね、生徒会長さん。その考え……僕の考えが正しいなら結月も生徒会に入った方が有利に働くんじゃないの?」 「流石全国一斉テストトップクラスの如月君だ。その通りだね、君が入れば今年の生徒会は有利に働く。分かっているのなら是非生徒会に入って欲しい。実際にやる事は殆どない、言い方は悪いが君が生徒会にいるだけで教師陣どころか校長や理事長も恐怖だから」 「ごめん、もしかしてこの中で唯一話の流れが分かってないの私だけ? オーマイガッ!」 そんなに大きく無い部屋で、 「結月、後で説明するから少し静かに」 「あ、はいすいません」 生徒会か……もう(結月のせいで)クラス委員長にもされたし生徒会実行委員もそんなに変わらないかもしれないな。それに学園生活を変える裏実行委員……僕なりの彼女との約束になるかもしれない。
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