クラス委員長のお仕事と生徒会

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「そんなに怒らないでよ。ちょっとした冗談だって。でも実際本人に会ってみると納得だよ。感はいいし頭もいい、僕の少ない説明で察してくれるし。予想以上に素晴らしい人だった」 「そんなに褒められた人間じゃないよ、僕は」 過大評価しすぎだ、僕は他人を頼らないと何もできないし過去に囚われた最底辺の人間なのだから。 「そうかな、自分の事が一番解らないのは自分だと言うし僕は少なくとも今話した感じでは君は素晴らしい人間だと感じた。それで今は十分だしねっ」 「自分の事が一番解ってないのは自分自身、アハハ、それは見事に言えてるかも! 三味さん凄く鈍感だから」 「こればかりは否定できません、す、すいません先輩」 「やめてよ、僕が鈍感とか」 「いや、その通りだから。三味さんより鈍感な人私見た事無いから」 鈍感鈍感……やば、なんかゲシュタルト崩壊してきた。鈍感ってどんな意味だっけ? ってそうじゃ無い、 「今はそんな話どうでもいいんだよ」 「いや、よくは無いけど」 「七衣、具体的に裏生徒会長が何をする役職なのかは分かったけど具体的に何を変えていくつもりなの?」 「ああすまない、まだその事について話していなかったね。そうだな……やりたいことは沢山あるんだけどこれまでの裏実行委員がやってきたことから例を上げるなら……」 顎に手を当て上を見て言葉を詰まらせる七衣、忘れたな。 「修学旅行の行先を学生が決めることができる。これも過去の裏実行委員が頑張った結果です。私はその時いなかったから詳しくは知らないけどそれまでは修学旅行は沖縄で統一だったそうですが旅行先の自由権を勝ち取った年は台湾に行ったとか」 「それそれ。そんな話だった」 「生徒会長しっかりしてください」 「忘れていたわけじゃないよ、ど忘れ」 「それ、忘れているんだよ会長さん。しっかり」 「それを結月に言われたらおしまいだよ、七衣」 「あれえー?」 「とりあえずそれは来週にでも話すよ。しれに裏実行委員はもう一人いるし彼も一緒に話した方がいいだろう。とりあえずはその修学旅行先のプリント、よろしくね」 手をひらひらと振る七衣、すっかり忘れてた。
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