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ボケーってしていたら生徒会室からどんどん人は減っていった。なんかこう夕暮れの教室って温かくて睡魔に逆らえない。
「三味さん今日授業中ずっと寝ていたでしょ、どれだけ眠いんですか」
「睡眠は人間の三大欲求の一つだよ睡眠は。それに逆らうのは人間としてどうなの?」
「欲求に流されるままもどうなんですかねぇ」
……一理あるな。
「うーん……」
体を捻って伸ばす。あ、なんか眠気飛んでった。
「おはよう如月くん、昨日はよく眠れたかな?」
「いや、それ意味解んないから」
歩み寄って来た七衣は本当にわけの解らないことを言っていた。
「でもここって本当に好条件だよねー、眺めいいし温かいし」
「それも生徒会実行委員になった理由の一つかな、最初は僕も生徒会長にんなるつもりなんて無かったんだけど去年の先輩方に乗せられて生徒会長になってさ、いやまいっちゃったよホント」
「へえ…………」
七衣は乗せられやすいと……
「なにメモしてんの……。それより今日はごめんね残ってもらって、じゃあ今日は裏実行委員の残りの一人を紹介するよ。彼が一年の紫観くん」
へえ、彼が。
「初めまして紫観伊澄くん」
「あら、フルネームで言ったっけ?」
「ごめんね、もっと早く連絡を取っておけばよかったんだけど……忘れてた」
「こんにちは如月三味さん。話はいろはに聞いています、三味さんは忘れっぽいって」
「あら、知り合い?」
「へえ、裏実行委員のもう一人って伊澄くんだったんだ」
「三味さん三味さん、知り合い?」
「ああ、いろはの従兄妹の紫観伊澄くん」
「いろはちゃんの従兄……ああ! そう言えばどことなく似て……いないかな、いろはちゃんみたいな悪そうな感じはしないよね」
それは思った。結婚とかしたら絶対尻にしかれそう。
「如月先輩の知り合いのいとこの方でしょうか?」
「僕の妹のいとこだよ」
「あれ、先輩の妹の名前は空ちゃんじゃ、……すいません先輩、名前間違えました」
「空で合ってるよ。いろははちょっと特殊な事情がある子だから。でも血の繋がりはあるから大切な家族だよ、彼女は」
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