クラス委員長のお仕事と生徒会

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「青春はきっと人生の縮図、勉強してアルバイトしてって」 「生きることは生涯勉強を続ける事っていうくらいだしね」 現代において勉強することは良い職につくことに大多数が割かれている。それはお金を稼いでより良い生活をする為じゃないだろうか。じゃあ宝くじで10億円を当てたとする。それだけあれば仕事を止めても十分暮らしていくとことは可能だ。じゃあもうお金はあるしもう勉強はしなくていい? 答えは否だ。そのお金を守るためにそれまで以上の勉強が始まる。どうすれば税金を取られないか。結局勉強は続くわけだ。 「青春を人生の早い段階におかないと人生メチャクチャになっちゃうよね。人生の基礎はみんな青春に詰まっている。人は昔の思い出を美化するけどそれはきっと本当にその時間が綺麗だからだと私は思うんだとねー。青春があるからこそ人はそれからの人生を生きて行けるんだよ。だから青春は最初の方に置いとかないと。そして楽しく過ごさないと。時間は戻らないしこの時間は特に貴重だから」 結月は結月なりに考えているのか。 「僕はさ、昔は子供の自分が許せなかった時期があるんだ。結月なら分かるよね。僕の去年一年を」 それは僕の無力さを知る歴史。一人じゃ何もできなくて自分の無力さを呪った。 「だから僕は早く大人になりたかった。親の七光りでも構わない、だから早く力が欲しかった」 「…………」 結月は僕の話を黙って聞いていた。去年の一年は結月にとっても苦い歴史になるのだから。 「でもそんな時代は終わった。今の僕は普通の高校生だし結月は言うところの青春を謳歌している。ありがとね、結月」 「え…………」 僕が感謝の言葉を発した事がそんなに驚きか? 「君が教えてくれなければそんな貴重な時間を何を考えずに過ごしていたかもしれないから」 結月は昔から青春に酷く執着していた。でもそれは違ったのかもしれない、僕が無頓着なだけだったのかも。 「三味さんから私に感謝の言葉が……三味さん熱でもあるんですか!? 大変、早く病院に行かないと!!」 「……………………帰ろうか」 「え、病院に行った方がいいって。三味さん怒ってる? ねぇ三味さーん?」
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