クラス委員長のお仕事と生徒会

23/25
前へ
/312ページ
次へ
「生意気な生徒会長だ。だが嫌いじゃ無い、世の中そんな人間が時代を作って来たからな。それで、他に意見が無いなら本当に忙しいんだ、出てってくれ」 そこで理事長は初めて書類を掴んだ手を止めてこちらを見た。口は少しにやけてる。あれ、もしかして悪い人ではないのか? 「いいえ、本日は新しい生徒会裏実行委員が決定してのでお披露目に来ました」 「ほお、お前が決めたのかその裏実行委員会は。期待しようか」 「今回の裏実行委員会は去年を超えますよ、全てにおいて」 「それは楽しみだ、じゃあ紹介してくれよ。お前の後ろにいるやつらじゃないのか?」 「では紹介します。今年の生徒会裏実行委員はこの3人です」 七衣は立っていた場所をどき僕らが見えるように動いた。 「今年の生徒会裏実行委員は如月三味、佐倉結月、紫観伊澄の3人です」 「………………」 理事長は驚いたのか黙り込んだ。七衣は愉悦に浸っていたが僕は理事長の驚きに違和感を覚えた。それに七衣も気づいたのかすぐに真顔に戻った。 その違和感の原因は簡単だった。理事長の視線は結月に向いていたからだ。僕はその理由がなんとなくだが分かる。けれどもきっと七衣は理由が解らない、意図的では無いものだがこれは七衣にも違和感と共に疑問を植え付けただろう。 すぐに理事長は目線を結月から外した。 「如月財閥の御曹司……彼は面倒なことはしないと聞いていたがよく引き入れたものだ。それに紫観もそれなりに影響のある家じゃないか。なあ七衣、一つ聞いていいだろうか?」 「何なりと」 「この佐倉とか言う生徒を裏実行委員に誘ったのはお前か?」 やはり違和感を感じるのだろう、この場のこの話に置いてのみわずかながら優勢に立っていたのは理事長だ。 「いえ、彼女は如月君の推薦ですが」 その言葉に理事長は突如笑い出した。 「ハハハ、それは愉快だ、面白い方で時代は進んでいるのだな。分かった七衣、ありがとう。面白い事も聞けた代わりに今回はその望み、聞いてやるよ。言っとくがこれは貸しだからな。いつか返してもらうもらう。話はすんだだろう、帰れ。何度も言うが私は忙しい。帰った帰った」 「……分かりました」 腑に落ちないといった感じだな七衣、しかし理事長が認証した時点でここに居る理由が無いのは確かだった。 「ああ、すまないが如月と佐倉は少し残ってくれ、話がある」
/312ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加