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「あ、でもさ。確かに如月家に別荘は無いけど貴方には沢山の従兄弟がいるじゃない」
「あ……そうか」
僕には従兄弟が6人いる。一番身近にいるれんとさんなんかマンション一緒だし。
「その考えは忘れていました。確かに誰か一人くらい持ってそうですね」
「お役に立ててよかった。にしても三味君が友達と海か。変わったね三味君。昔の君だったらそんな事言わなかっただろうし、母さん嬉しい」
「はは……それは良かったです」
カトレアさんも暗くて閉じこもってどうしようもない僕も暖かく見守ってくれた。僕は変わったつもりもないし友達に半ば強制的だがそれでもカトレアさんを安心させられたならそれでもいいか。
「ありがとうございました、カトレアさんに相談してよかったです」
「私も久しぶりに三味君と喋れて嬉しかったわ。空ちゃんに自慢しちゃおうかしら」
「それは……後で怖いので」
おもに由羽が、あいつ空大好きだから。
「冗談よ。それじゃあ三味君、楽しいスクールライフを。もうちょっと三味君と話していたいけどこの後用事があるから」
「いえ、僕こそいきなり失礼しました。それじゃあまた夏休みに会いましょう」
「ああ、楽しみにしているわ。ではまた」
電話を切って僕はスマホをポケットにしまった。嬉しかったな、カトレアさんと話せて。
「どうだった三味さん、別荘はありもうした?」
いつの時代のしゃべり方だ。
「やっぱ僕の家に別荘は無かったよ。でも従兄弟の誰かが持ってるかもって話。そこまで頭が回らなかった自分が恥ずかしいよ」
「お前は鈍感なとこがあるからな。でもそれが三味らしいな、はっはっは!」
「今回に限っては否定できないな。で、何をしているんだ京助」
放課後の教室で夕陽に照らされて逆立ちをしている京助がそこにはいた。あ、バク転した。
「筋トレ。電話中暇だったから」
「そうか、帰ってやれ」
なにいい汗かいてんだよ制服で。
「最近制服の腕通らないんだよな、腕筋つけすぎたかな」
「そうか、それは良かった」
ボディビルダーにでもなるつもりか?最近はプロテイン取ってるし。
「三味、腕相撲しないか?」
「一人でしてろ」
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