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「あ、じゃあ私とする? 京助くん」
「んー、やってもいいけど女とやってもな。面白いものじゃないし」
「男がやっても面白いものじゃないでしょ」
個人差があります。
「でも三味さんと京助でも結果が見えてない? 京助君の腕三味君の二倍くらいあるよ?」
「でも三味は三味で脱いだら凄いぞ? 深夜にマンション地下のトレーニングルーム行くと体鍛えてるぞ?」
「そーなの三味さん? 意外だなー」
京助に見られてたか。知り合いとかぶらない時間帯に行ってたのに。
「三味は澄ましていて実は一番負けず嫌いだから。それにもし負けた時に鍛えていた事がばれていたらカッコ悪いでしょ。こいつはそんな男」
「……そうだよ、悪い?」
体を鍛えることはもう中学時代からの習慣になっている。汗を掻くのは嫌いじゃないし頑張れば頑張っただけ成果が出る。努力は裏切らないからね。らしくないから言わないけど。
「でも努力もする人はカッコいいよねー。京助くんも三味さんも才能に溺れないで努力しているわけだし」
「いや、僕は習慣で京助は趣味みたいなものだから。別に努力じゃないから」
そもそもなんでこんな話になったんだっけ。ああ、バク転か。京助は逆立ちしたまま腕立て始めた。
「ちゃんとこぼれた汗ふいて帰れよ」
「おうよ」
きつそうな返事が返ってきた。そして限界が来たのかそのまま前転の要領でその場に座り込んだ。
「三味、カレー食べてから帰ろうぜ」
「そうだな……」
今日はいろはは護身術のけいこで遅くなるって言ってたしれんとさんはアメリカに出張中だからいない。
「じゃあ中等部に寄ってゆんを拾ってから行こうか、カレー」
マンションに引っ越して来てからほぼ毎日家で夜はご飯を食べていたからたまには外食も良いかもしれない。いや、どうせなら……
「京助、そのカレーって今日はそんな気分なの?」
「いや、なんとなく頭に浮かんだだけだ」
「お、三味さんちょっと豪華なとこ行っちゃう感じ? 奢り?」
数億単位で貯金ため込んでいるくせに奢らせる気か。
「まあいいよ。ちょっと前にれんとさんが美味しい焼肉の店を見つけたって言ってたからそこに行ってみようかと思って」
他にもフランス料理とかあるけど絶対騒がしくなるだろうし。
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