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「どうしたんだ堺兄、二人でごはんなんて珍しいな。そんな仲好かったっけ?」
「いやね、今日は両親がいなくて外食をすることになってさ。たまにはそんなのも良いかなって」
へえ、本当に仲が悪い訳がないんだろ。それもそうか、去年は僕が怪我で入院した時一緒にお見舞いに来てくれたし。
「それでどこ行こうかなって歩いてたら如月と相川と佐倉さんが見えたから入っちゃった。一緒に食べようかなって思って」
「すいません先輩方、ご一緒よろしいでしょうか?」
なんだ、そういう事か。
「いいよ、千晶ちゃん」
「そうだな、一緒に食べようぜ千晶ちゃん」
「あれ、俺は蚊帳の外?」
「冗談だよ。まあ座れば?」
もともと七人掛けの座敷に座っていたのでとりあえず詰めて二人のスペースを確保した。
「お兄さんお兄さん、この二人のお兄さんのしりあいです?」
ああ、ゆんと堺兄妹、それに結月と千晶ちゃんは初対面か。紹介面倒だな。
「ええっと、まずこの子は御鏡ゆん。僕の妹の友達で同じマンションに住んでいるよしみだよ。ゆん、この二人は学校の友達と後輩の堺真と堺千晶ちゃん。それで千晶ちゃん、こっちは僕の友達以下の佐倉結月」
「あれれ、なんか変な単語が聞こえてきたんだけど三味さん? それに前に生徒会で会ってるよね? これなんてデジャヴ?」
「よろしくお願いします、佐倉さんに御鏡さん」
「あ、よろしくね千晶ちゃん。千晶ちゃんでいい?」
「はい、構いません佐倉先輩」
「先輩……先輩かあ、ふへへへへへ」
「結月、顔が壊れているそ」
「それはもともとだから問題無い」
「こらそこ、酷い事言わない」
「うわ、指指すな。先端恐怖症なんだよ僕は」
真っ赤な嘘。
「それで如月、これなんの集まりなの?」
横に座った堺兄が当然してくるだろう質問を投げかけてきた。そりゃあ不思議だろうな。中学生といっしょにご飯を食べているんだから。
「言ったでしょ、同じマンションのよしみだって。たまには外食しようって話になってさ。ゆんは妹の友達だってのもあるしね」
「妹って空ちゃん?」
それもあるけど今はいろはかな。話が厄介になるのが容易に想像出来るから黙っとこう。別に嘘ついているわけじゃないし。
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