在る日の日常

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「ゆんって結月と仲どうなの?」 「一つ屋根の下で暮らす程度の仲なのです」 「つまりは良いんだ」 マンションだけど。 「結月、王様ゲームはもういいよ、もうお腹いっぱいで動くのしんどいから。それよりもっとなんか他の事しない?」 勿論その何かとは考えていない。でも人の前に立つのとか目立つのは苦手だから。せっかく学校の外で集まったんだから学校で出来ない雑談とかやる事はいろいろあるじゃん、勿論僕は傍観者希望だけれども。 「他の事って何するんだよ? 俺はもう満腹で結構眠気が襲ってるぞ?」 「どうせ帰ったら筋トレするのに眠いとか言わない。帰りのバイクで事故らないでよ」 「だってせっかくタンパク質を沢山とったんだから運動しないと勿体ないじゃん」 その勿体ないがよく解らないけどボディビルダーにでもなるつもりか? あんまり多い筋肉は邪魔になると思うな。 「どうせ筋肉つけるなら陸上部とかボクシング部とかに入ればいいのに」 「あ、それなら私がマネージャーしてあげるよっ」 「いや結構、入る気はさらさら無いから。そんなの始めたら遊ぶ時間無くなるじゃねえか。あと1年で高校生活終わっちゃうのに。勿体ないねそんなの。すいません、タン追加で」 「お腹いっぱいはどうした、おい」 ここには6人いるのに半分いかないくらいは京助が食べている。基礎代謝とんでもないのだろう、僕の倍あったりして。 「ちょっと休憩したからな。いやー焼肉なんて久しぶりに来たからな」 「焼肉なんてたまに来るから美味しいんだよ、毎日来たら飽きるって」 そもそももう飽きている。最初は美味しいけどお腹はもう満杯、帰りたい、ホームシックかな? 「三味は卒業後どうする気なんだ?」 届いたタンのネギがこぼれないように焼きながら聞いてきた。 「ずいぶん唐突だね。なんで?」 「あと9か月で卒業だぞ? 三味とはもう2年以上の付き合いになるがいまだにまだ何考えているかよく解んないとこが多いからさ」 「京助は警察になるんだっけ?」 「ああ、勉強してキャリア組、狙ってたんだけど最近は公安も良いかなって」 公安……昔の京助の敵に等しいな。 「面白いなそれ」 「だろ?」
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