在る日の日常

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「今度は僕たちのマンションに遊びに来て、ここにいる皆、同じマンションの同じ階に住んでいるからさ」 「はい、近々必ずお伺いさせてもらいます。ではまた学校で」 「うん、、あた明日」 「またね」 「ばいばーい」 「では……。ほら、馬鹿兄貴帰るよっ!」 「すんごい眠い……」 「兄貴、今すぐ起きないと家のフィギュアの首折るよ?」 「この人でなしっ!!」 あ、堺兄が起きた。 「真じゃ無かったっけ?」 「京助、いきなり何の話?」 「堺兄の名前」 「ああ、なんとなくそんな気がする」 あ、堺兄が引きずられて行った。流石バスケ部副部長、力あるー。 「東風高校の女子バスケに千晶ありって言われているんだぜ、千晶ちゃん」 「彼女のバスケの試合見た事無いんだけどやっぱ凄いの?」 「うちの高校のレベルは全国16位圏内らしいよ」 「それに来年は全国トップクラスのいろはが入学するのか……全国制覇の未来しか見えないよ」 問題は素直にいろはが先輩とかの言う事を聞くかだけど。あ、彼女猫かぶりだから何の問題も無いな。解決っと。 「じゃあ帰ろっか、来る時と同じでいい?」 それはバイクのタンデムの話、ここぬ来る時は僕の後ろにゆん、京助の後ろに結月が乗ってきた。京助とゆんは犬猿の仲……は昔の話だけど今も特別仲がいい訳じゃない。少しだけ中の悪い悪友、みたいなもの。元々体を鍛えるのが好きなアウトドア派と部屋に籠ってコンピューターいじりを好きとするインテリインドア派、気が合うはずが無い。 「あー、それなんだけどさ、帰りは私が三味さんのバイクの後ろに乗ってもいいかな?」 「……僕はそれで良いけどゆんと京助は、」 「構わないです、私もこの筋肉馬鹿と話があるです」 「な……ゆんてめえっ、そんな態度で乗せてやると……」 「この筋肉馬鹿、いいから空気を読むのですっ!!」 「あ? あ、あぁ……成る程ね」 京助の何かを察したような顔、ゆんが何か耳元で囁いたようだったけど離れた所にいた僕には全く聞こえなかった。あの仲の悪い2人が同じバイクに乗るなんてどんな魔法だ? 「じゃあ俺は眠いからゆんを連れて先に帰るぞ」 「お兄さん、また後でなのですっ!」 「あ、うん……」 そう言って何故か2人は小走りで先にバイク置き場に去って行った。一緒に帰ればいいのに。
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