在る日の日常

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本格的にどうやってここから逃げるか考えないと。警察呼べば良いとは思うけど正直、警察は呼ぶのが少し申し訳無い気持ちになる。警察には知り合いがいるしそれもきっと良くしてくれるから本当に 申し訳無いのだ。 「よって却下」 「あん?」 なら早く次の作戦を考えないと。早くしないときっとマズイ方向に話が進む、最悪、悪い方向で警察のお世話になってしまうかも知れないし……急いで考えないと。 「とりあえずよ兄ちゃんだけ乗ってもらえないかな?2人だと何かと面倒だから先に車に乗ってもらっていいか? 素直に言うことを聞いてくれれば痛いことなんか何も無いんだからさ」 「あ、はい分かりました」 早く最善策を考えないと、マズイ方向に進む前に。 「行くなら早く車を出して下さい」 結月が個々に来る前に、 「あ? 何をほざいているんだ兄ちゃん、さっきの姉ちゃんも連れていくにきまってんだろーがっ!」 「なっ……」 この馬鹿、それは何としても止めないと……! 「三味さーん、何処に行ったんです? アイス溶けちゃうじゃないですかー」 その瞬間、表通りの方からコンビニのレジ袋を左手にぶら下げながらアイスを咥えている結月の姿が僕の目に写った。そしてその目には僕がしっかりと写っていた。 これは非常にまずい、 殺される…… 「三味……さん?」 「こっちに来るな結月っ!!」 「どおしたのですか三味さん……?」 レジ袋と加えていたアイスを落とした結月はゆっくりとこちらに歩いて来た。 「フフフ、、まさかあっちから来てくれるなんて馬鹿なねーちゃんだ。おい、あいつもさっさと捕まえろっ!」 「はいっ!」 瞳には光が無くなった結月はゆらゆらと歩いてくる。スーツの男たちはそんな結月に向かって一気に走ってきた。 「バカ、何やってんだ、早く逃げろっ!!」 「嬢ちゃん悪いな、少し眠っていてもらうぜ!」 スーツの男の一人がその大きな拳を結月の腹部めがけて一気に殴りこんだ。 「っ…………!!」 咳込んで四つん這いになって倒れこんだ。痛そうに小さく唸っている。 「早く逃げろっ、本当に死にたいのか!」 「…………フッフッフ……」
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