在る日の日常

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僕の視界の中で転がる4人のスーツの男達、中には頭から血を流して倒れている者もいた。これはさすがに放置はマズイな……。 「電話しよ」 僕はスマホを取り出して登録されている番号を撰ぶ。その人は僕が電話をかけてからコールが2回も鳴らないうちに電話に出た。 「もしもし三味くん?」 「ご無沙汰しています橘さん。すいませんこんな遅い時間に」 「いいよいいよそんな事気にしないで。私も今ちょうど仕事が終わったところだったから。それでいったい何事かな、三味くんから私に電話をかけて来るなんて?」 「仕事が終わったところ大変申し訳無いのですがパトカーを2台ほどまわして貰ってもいいですか? 場所は……」 僕は事務連絡のように橘さんに僕のいる場所の説明した。 「パトカーを回すのは全然構わないけどいったい何があったの?」 「昔に比べたら大した事じゃありませんよ。来てもらったらまた説明するのでよろしくお願いします」 「分かった、5分もあれば着くと思うから何が起こってるのか知らないけど危ない事しちゃ駄目だよ三味くん」 もう結月によって全て片付いた後だけどね。 「はい、それじゃあお願いします橘さん」 30秒もあれば十分なやり取りをした後僕は耳からスマホを離した。5分で来てくれるならすぐに帰れるだろう、正直眠い。 だけどそんなまぶたの重い僕の願望はいっきに覚める事となった。電話を終わらしてポケットに入れた瞬間に僕の腹部を衝撃が襲っう、でもそれはとても軽いものでそして何より、 柔らかかった。 「結月……?」 僕の胸元から腹部にかけての衝撃の正体は結月だった。彼女は無言で抱き付いている、そこそこ豊満な胸が当たってますよ結月さん。 「怪我……」 「……ん?」 「どこも怪我してませんよね三味さんっ!」 ほぼく僕の胸に埋めていた顔を僕に向けてそう叫んだ。そこにいた結月はいつものお調子者じゃなくて心配性な女の子だった。怪我してませんよねって、むしろ怪我をしているのは貴方が手加減なしで半殺しにしたスーツのお兄さん達ではないでしょうか? 「僕は大丈夫だよ。だいたいこの程度で怪我するわけないじゃん。そんなことより何より君に抱きつかれた事の方がよっぽど驚きだよ」 「あ……」 言われて気づいたのか頬を赤くしてそっと僕から離れる結月、特に何も考えて無いんだろうな、きっと。
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