在る日の日常

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「あ、そういう意味の言葉じゃ無いんだよ三味さんっ」 「なに慌ててるの」 「いえ、ですからさっきの言葉は……」 「少し落ち着いて」 僕は結月のおでこめがけてデコピンした。勿論、痛くないやつだ。 「そんなに取り乱して、結月らしくないよね」 この言い方はおかしかったのかもしれない。先ほど述べて様に僕と結月は出会ってまだ半年だ、結月から言わせれば「私の何を知っているの?」と言われたら何も言い返せない。でも今重要なのはそこじゃ無くて、 「だって三味さんが変な事言うから……」 特別変な事を言ったつもりな無い。 「いつも変なのは結月の方でしょ」 「それは認めるけど、でも信用が無いわけじゃ無くて三味さんがらしくないから。どう反応すればいいか困って」 「そう……で、結月は何処に行きたいの? 山? 海? それとも何処か旅行行く?」 エレベーターが階に着いたので降りてテーブルの席に着く。反対側の席に結月が座って、 「そうだなぁ、本当に三味さんが海に行くと言うとは思わなかったので。そうだねー、大阪の日本橋も行きたいし福岡の北天神、それに北海道の二番街通りも楽しそう!」 おい、海はどうした。 「そこに行って本気で楽しめそうなのは結月とゆんぐらいだよ」 あと堺兄と荒垣先生も好きそう、あの人なんて言うんだっけ……そう腐女子だ。堺兄が腐女子って言ってた。意味は知らないけど。 「僕は別に良いけどいろはと京助、それにれんとさんがなんと言うか」 そもそも忙しいれんとさんが旅行に行けるだろうか、あの人社長だし。 「僕は何処でもいいよ、楽しそうな場所だったら」 遊園地とかも楽しそう、子供っぽいと思われるかもしれないけど昔、小学校の時姉さんに連れて行った大きな遊園地、あれは心がときめいた。本当に楽しかったな……。 「りょうかーい、じゃあ8月の中盤ぐらいに皆で遊びに行こうよっ。せっかくだから泊りがけで皆で。行くのはこのマンションの6人(私、三味さん、いろはちゃん、ゆんちゃん、京助君、れんとさん)だけでいいの?」 「せっかくだから堺兄と堺千晶ちゃん、それに紫観伊澄くんと七位純一くんも誘うだけ誘ってみて。日程は2泊3日、予算は5万円ぐらいで行こう」
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