在る日の日常

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「なまじリアルな金額だね。分かった、じゃあそれぐらいで行けるとこを探してみるよ。でもその金額だと飛行機での移動は破産だね、三味さん確か車の免許持ってましたよね?」 「車の免許なら僕と京助が持っているよ」 僕は5月、京助は4月生まれだ。僕の誕生日を迎えるのと同時に2人で自動車学校に自動車免許と大型二輪免許を取りに行った。資格は人生のステータス、取れるなら早めに取りに行った方が良いに決まっている。 「運転をお願いしても良い?」 その上目使い、もう慣れたよ。 「いいよ、適当にミニバンを借りて京助と交代しながら行こうか。でも疲れるからあんまり遠い所はごめんだよ?」 「了解でーす、この旅行計画には命を懸けて挑みます。大いにい期待して待っててね?」 どうやら結月には命を懸けるほどの何かがあるらしい、波乱万丈な人生を送っているようで。本当に楽しそう…… 「どうしたの三味さ、私のこと見つめちゃって、もしかして気でもあるのかな?」 「いやね、本当に楽しそうにしているから。結月のそういうところは好きだよ?」 「……私も三味さん好きですよ。そのツンデレ具合とか」 フフッ…… 「面白い事言うね、僕がデレても気持ち悪いでしょ?」 「どうだろう、怖い物見たさは無くはないよ?」 その小悪魔的な笑み、結月はこうじゃないと。 「じゃあ結月の旅行プラン、楽しみにしているから。怖い物が見たかったら楽しい旅行にしてね」 「おう、任せとけっ! 怖い物爆笑するまで堪能してやるからなっ!」 ビシッとこちらに指差す結月。 「僕は先端恐怖症なんだ」 「ウソつけっ」 嘘だけど。 「じゃあ今日はもう僕は寝るよ。明日は早く起きてバイクを取りにいかないといけないから」 「じゃあ、じゃあさ、明日は一緒にバイク取りに行って後ろに乗ってもいい?」 「いいけど僕は明日は2時間目からだから7時にはここを出るよ? 結月は明日4時間目だから学校に行くのは午後からでもいいんじゃないの?」 「確かにそうなんだけど家にいてもやる事ないしこっそり三味さんと同じ授業を受けようかなと?」 何故の疑問形。 「了解、それじゃあ今言ったけど7時にはマンション出るからその時間にはここにいてね?」 「あいよ、私に任せとけっ!」 何をだ。
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