在る日の日常

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「じゃあ僕は部屋に戻ってお風呂に入って寝るよ、お休み結月」 時間は11時を回っている、京助は地下のジムで筋トレ、れんとさんは下の階でまだ仕事、ゆんは部屋でネトゲ、いろはは毎朝早いからもう寝てるだろう。僕はいつもは12時ぐらいは起きているけど今日はいろいろあった、本当に眠い。 「おやすみ三味さん、お休みのチューいる?」 「鏡にでもしとけ。じゃあね」 「じゃあまた明日―」 後ろで何故か手を振っている結月に何故か僕も返して自分の部屋に戻るとその足で脱衣所に向かう。お風呂の中で寝ない様にしないと。 「今日は本当に良い一日だったな……」 僕の中では珍しく気持ちが高揚している気がする、本当に悪く無い気分だ。皆でご飯に行けたし、橘さんには久しぶりに会えたし結月とゆっくり話す事も出来た。 本当に楽しかった。 『……じゃあ例えばの話ですが三味様のこれからの人生はどのように広がっていくと思います?』 『三味さんは楽しくないですか?昔と違って今がとても充実しているとか思いません?』 『三味様はどんな未来を思い描いているのですか?』 「……君はいつだって僕の先を行くよね」 憎たらしいやら羨ましいやら……彼女はいつも含みがあって僕の先を行く。 「きっといつか追いついて見せるさ」 のぼせそうだしもう上がって寝よう。 ~オープンファミリア(三味達の住むビル)、ロビー前~ 「やっと見つけましたよ如月三味」 そこには空色の髪の小柄な少女が一人、高層ビルを仰いでいた。その瞳には確固たる意志が感じ取れる。 「もう逃がしませんよ如月三味。2年にも及ぶ私の恨み、今こそ晴らしてみせます、フフフフフフフフフ……」
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