アンチヒーロー・ヤンデレヒロイン?

2/77
前へ
/312ページ
次へ
キーンコーンカーンコーン…… 「そこまでっ」 7月5日、1学期期末テスト最終日。僕はテストの回答用紙を前に回してから鞄を持ったら軽く体を伸ばして教室を出る。そのあと、なんとなくスマホに目を通してから足を生徒会室に向ける。 このテストで僕の1学期の僕のテストは全部終了、全部問題無く取れていれば1学期終了時点で20単位を取り終えた事になる。結果が分るのは夏休みに入ってからだから今の時点では何とも言えないけどこれで2学期と3学期はあまり授業に出なくて済む。1学期よく頑張ったね自分、面倒な事は先に済ませないと。 さて、相変わらず僕が暇な事に変わりは無く、もうすぐ夏休みだと言うのに(僕たちの学校は3年は7月10日から夏休み)予定なんてこれっぽっちも無い。去年の夏は何をしていたかと言えば……何してたっけ? ああそうだ、ずっと体を鍛えてたな。あの頃はそれに必死だったから夏休みなんて本当にあっという間に過ぎていった。これを結月に話したら、 『流石だねー三味さん、人生の中の青春を無駄にするとかばーかっ』 だとさ、大きなお世話だよ。 そんな事を考えながら歩いているとすぐに生徒会室に着いた。僕は生徒会裏実行委員だからつまりは生徒会の人間、でも滅多に来ることが無いのでつい癖でノックをしてしまう。 「ドア、空いてるよ?」 その言葉を確認してから僕は断りを入れて生徒会室に入る。 「あれ、如月君だ。如月君がここに来るのは珍しいね?」 「久しぶり、七衣生徒会長」 「本当だよ、如月君は生徒会なのに生徒会としての用が無いと全く来ないから」 「そりゃそうだよ、用が無いと来る理由が無いでしょ」 「そう。じゃあ今日はどうしたのかな?」 「暇だから時間つぶし」 「……それは立派な理由だね」 生徒会長と書かれた机に突っ伏しながら力なく話す七衣の正面に立って見下ろす。 「どうしたの生徒会長?」 「非常に疲労感に襲われています、さっきなんとかテスト終わった感じだよ」 あれ、七衣は頭脳は優秀なはずだ。ここの学園の期末テストは特別難しいわけじゃ無いし七衣には何の問題も無いはず。 「疲れてない生徒会長?」
/312ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加