アンチヒーロー・ヤンデレヒロイン?

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「俺は色縁がこのカルテを仕上げるまでここにいるけど2人は七衣君のお見舞いに行くか? それなら部屋はここを出て左にしばらく行くと病室が2つある。その奥の部屋が七衣の病室だ。まだ寝ているかもしれないが気になるなら行って来い。これが終わり次第俺と色縁も向かうから」 僕の方に目もくれずカルテの方を凝視しながら話す月乃さん。僕は伊澄君の方を向いて、 「じゃあお見舞いに行こうか」 「そうですね、もしかしたら会長が起きて混乱しているかもしれませんし。では先にいきましょう三味さん」 立ち上がって月乃さんと色縁さんに一礼してから医院長室を出る。にしても月乃さん、七衣さんにVIP用の部屋を用意してくれたんだ。嬉しい事だ、あとで月乃さんにお礼を言わないと。 「えーっと、生徒会長の病室は確か奥の方の部屋でしたよね?」 「そうだね。あそこの部屋だよ」 丁度部屋が見えてきたから僕は指を指した。流石はVIP専用病室、ドアから見て立派だ。七衣の名前を確認してから一応ノックをしてから入る。 「七衣、入るよ?」 物音を立てない様に極力静かに病室に入った。 「生徒会長、まだ起きていないみたいですね」 僕達は七衣のベッドのそばまで近づき寝ていることを確認したら、近くのソファーに並んで座る。寝ている姿なんて人には見られたくないものだ。 「まあとりあえずは会長が深刻な病気で無くて良かったです、本当に。だいたい会長は無茶しすぎなんですよ、全く……」 温厚な伊澄君が珍しく怒りをあらわにしている。それだけ心配していたのだろう、本当に良い子だね。 「……生徒会長は4人兄弟の長男で両親は共働きで実家が貧乏なんです。だから親の助けになろうと自分もアルバイトをしているのですよ。それで勉強もして自分は大学に行かずに高校卒業したら働こうと考えています、学校側も是非生徒会長には大学に行ってもらいたいみたいなんですが……生徒会長もそこは意思が変堅いみたいで……どうにかなりませんかね三味さん?」 驚きの事実と共にまさかの解決策を振られた。なんて返せばベストアンサーになるのだろうか。
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