アンチヒーロー・ヤンデレヒロイン?

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「さてと……」 いったん学校に戻ってバイク取りに行かないと。 「伊澄君は学校までバス通いだよね、僕もいったん学校まで戻るからそこまで一緒に行こうか」 「そうですね、ではそうしましょう」 病院の敷地を出てそう遠くは無い学校の方に向かい歩き出す。そう言えば伊澄君と2人きりになるのは初めてかもしれない、せっかくだし聞きたい事とか聞いてみようかな。 「伊澄君」 「なんですか三味さん?」 「いろはとは仲良くやっているの?」 いろはと伊澄君は従兄妹でありながら知り合ったのは今年に入ってからだ。僕と伊澄君は血の繋がりは全くないけど僕からしても伊澄君は後輩以上に弟みたいなものだ。 「いろは……はい、仲良くさせてもらってますよ。でもいろはは……いろは自体は少し毒舌なだけで自分も可愛い妹が出来たみたいで」 少し……? 「にしても含みのある言い方だね」 「そうなんですよ、この前偶然放課後にいろはと会って彼女の方から声をかけてくれたんですけど、彼女の周りの女子中学生、なんと言いかな……親衛隊? いろはを取り囲む女の子たちが警戒しているというか、睨まれるんですよねぇ」 あ、察し。 「よく分るよそれ、僕もいろはのバスケの試合見に行った時に帰りに話しかけたら物凄く警戒された」 あれは視線で人を殺せる分類だ。それだけいろはが親しまれてるって証なのだけど。 「出来るだけいろはが学校の友達といる時は近づかない方が良いかもね。ほら、いろはの友達は学校外にもいるからさ。それにたまには2人で遊びに行ってみるのも良いかもよ、退屈はしないから」 「そこをいろはの学校の友達に見つかったら確実に殺されますよ、視線で」 百理ある、僕もその状況は極力避けたい。それにまだ死にたくは無いしね。 「それは怖いね、じゃあこういうのは? 僕達は夏休み、8月の中旬くらいに皆で旅行に行こうって話が上がっているんだ。結月から聞いてない?」 堺兄妹、それに伊澄君ち七衣には聞いてみてと結月に言ってはいるのだけれども。 「あ、それは聞きました。実はとっても楽しみですっ!」 「来るまで行くみたいだからそれなりに遠出をするみたいだからさすがにいろはの学校の友達には会わないとは思うけど、その時また楽しく話したり遊んだりできるといいね」 また結月が王様ゲームとか始めなきゃいいけど。
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