12人が本棚に入れています
本棚に追加
「は? ストーカー?」
「ストーカーなんて一言も言ってないだろ、ちょっとした殺気を感じただけだって」
不気味に感じた僕はすぐにバイクでマンションに帰った。エレベーターを降りて全員の部屋の真ん中にある机では京助と結月が机を挟むように座って雑談をしていた。無言で自分の部屋に戻るのもなんだしその席に加わる。因みにいろははマンション地下のジムでトレーニング、れんとさんは仕事、ゆんはオンラインゲームのイベントやらで自分の部屋に籠っているみたい、結月情報。
そんな中、僕は今日の帰りに感じたものを2人に相談してみた。
「三味さん、心当たりは無いのかなー?」
心当たりねー、
「どうしよう、多すぎて思い出せない」
「にゃははは、三味さん罪な男だねー」
「結月五月蠅い意味わかんないし」
「それでよう三味、これからどうする気?護衛でもつけるの?」
「なら私がしてあげようか? ついでに一緒に服と靴を見に行かない?」
護衛?
「まさか、うっとおしいだけでしょそんなの。逆に邪魔になるだけだよ、京助や結月の方がよっぽど頼りになるだろうし」
「お前に頼られるのは悪い気分じゃないな、まあまたなんかあったら相談しろよ三味」
「うん、その時は頼りにさせてもらうよ京助」
「うおおおおおーーーーっ、三味さんに褒められたっ! 今日は赤飯だ母さん!」
「結月五月蠅い」
「おや、なんの話ですか皆さんお集まりで」
エレベーターがこの階で止まったと思ったらスーツ姿のれんとさんが出てきた。時計を確認するともうすぐ11時、こんな時間までお疲れ様だ。
「お帰りなさいれんとさん、お仕事お疲れ様」
「はい、ただいま。それよりなんのお話を? 結月さんは随分と嬉しい事があったのですか?」
楽しそうにあずきを洗っている結月を横目にスーツの上着を椅子に掛けて僕の横に座るれんとさん。早朝からこの時間まで働いているのに疲れを全く感じさせない笑顔、この顔でその笑顔は世の女性がほっとかないだろう、流石だ。
「れんとさん、実は三味がストーカー? 今日の帰り道に妙な殺気を感じたみたいなんですよ」
「ストーカー? それはマズイですね、SPでもお願いしましょうかね……」
SPって警察だよね首相とかを護衛する。
「それは大げさだってれんとさん」
最初のコメントを投稿しよう!