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「三味さん、決して大げさなことじゃありません。貴方は如月財閥の後継者なのですよ、それに私から言わせて貰うなら護衛を付けなかった去年の貴方たちの方が以上です。もっと自分の事を大事にして貰わないと」
自分がそんな大それた人間だとは思っていない、それでもれんとさんがそう言ってくれるのならありがたく思うしその言葉は素直に受け入れないと。
「でもされんとさん、そんなに簡単に警察が動いてくれるの? それに三味の護衛は大変なんじゃないですかね、こいつ気まぐれだから」
「京助君の言う通りだね、三味さん猫みたいだから」
それ、初めて言われたぞ。
「猫って? どこが」
「えー? 気まぐれでしょ、良く寝る、警戒心が強い、自分のテリトリーに入られるのを嫌う」
「猫だな」
「猫だね」
そこ、ハイタッチしない。もう付き合えよお前ら。
「因みに私は犬派です」
知らねえよ。
「マカロン、結月が好きだってさ」
「ワンッ!!」
「うわ、ちょっとっ!!」
まだ小さいとは言っても流石はゴールデンレトリバー、結月の背中にダイブしたとたん、机に突っ伏す。てか昔ネコ派って言ってなかったっけ? 忘れたけど。
「誰か助けて、重……くは無いけど」
結月がいると話が脱線するから暫くこのままにしとこう。結月以外の皆が頷いた。
えっと、なんの話だっけ?
「三味さん、そのストーカーですが私のほうで調べてみましょうか? 警察にも知り合いはいますし」
「大丈夫だよれんとさん、気配丸出しだった危険じゃないよ。それに露骨に殺気を出してきたのは1人になってからだったから誰かと一緒なら問題ないよ」
「それじゃあ私が一緒にっ……」
「マカロン」
「ワンッ!!」
「あうううぅぅ……」
「じゃあ基本的に1人にならない様にお願いします。そうだ、いざとなったら私に電話をください。如月家分家天明家の名に懸けて守りますから。それが三味さんのお父さんへの恩返しにもなります」
れんとさん、本当に良い人だ。
「ありがとうれんとさん。でも大丈夫だから」
「そうですか、なら大丈夫なのでしょう」
「うん、だからこの話はもうおしまい。せっかくれんとさんが早く帰ってきたんだからもっと別の話をしよ」
結月が静かだと話がはかどるな。
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