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「とりあえず訂正しようか、誰が財閥の御曹司の彼女だって?」
僕が出来る限り最大の怖い顔で結月を睨みジリジリと近づいていく。
「三味さーん、すっごく怖いんですけど」
目をそらすが構わず睨み続ける、校長の脅しに使うぐらいなら構わないがこのまま許していると誰これ構わず言いふらす可能性がある。それだけはなんとか防がないといけない、結月は顔だけは一流変な噂が広がるとだからこれからの学園生活に支障が出るからだ。
「私が彼女じゃ嫌ですかぁ?」
目をウルウルさせて上目遣い、やはり顔“だけは”一流だ。だが、
「嫌です」
「即答!?」
「クックックッ……」
おもいっきりのけ反り反ってオーバーリアクションをとる結月とその横で笑いを押し殺している京助。すっごくカオス……。
「むー、私の一体何処がいけないんだ」
本気でそう思っているならなかなか重症だぞ結月。
「ま、いいでしょう」
「なに勝手に一人で納得してんの、訂正してって」
「しますよします。私は三味さんの彼氏じゃあっりませーん。……これ以上やったらあの娘に怒られそうだし」
「あの娘?」
誰だ?
「その顔は分かっていませんねぇ、さすがは三味さん全てが一流です、ただし女心を除いては。人間1つくらい欠点があった方が可愛いですよ」
どうして彼女はこう人をイライラさせるのだろうか、ある意味才能だな。
「それはそうと京助君、三味さんに降られちゃったので慰めてもいいんですよ?」
「あ、いや結構です」
「冷たいねー」
もうわけが分からなくなってきた。早く入学式終わんないかな、このカオス空間から抜け出したい。つい数分前までは穏やかな時間だったはずなのに。
「あ、そう言えば三味、この後時間ある?」
「私はスルーですか」
「この後って入学式の後?」
「うん」
この後か……昼からは先約があるんだが、
「二時までは大丈夫だけどその後は先約があるから無理」
「二時までか……じゃあ軽く昼飯行かないか?」
「いいよ」
「あ、私も行きたい」
「何処行く?」
「カレーとかは?」
カレーか……うん、悪くないな。
「オッケー、じゃあカレーね」
「すいません、さすがに悲しくなってきた……」
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