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「「「いただきます」」」
3人の前にそれぞれ別々のカレーが並ぶ。僕はシーフードカレー、京助はカツカレーで結月は冬野菜のカレー。野菜カレーも美味しそうだな。
「あーやっぱカレー美味いわ、日本人のソウルフードだよな」
猫舌でスプーンが進まない僕に対して京助の皿からはみるみるカレーが消えていく。本当にカレーが好きだな。
「そんなに急いで食べなくても逃げないんだから」
「いやいや、美味すぎて箸が止まらないんだよ。あ、これスプーンか」
テンション高いなー、いつも学校では常に眠そうに過ごしているくせに。
「ん?」
ガツガツ食べる京助の隣、野菜カレーを食べている結月はあまり食が進んでいなかった。不味かったか?
「どうしたの結月、スプーンが進んでないじゃん」
僕の言葉でそれに気づいた京助も食べるのをいったん止めて結月の方を見る。
「もしかしてカレー嫌いか?」
「いや、大好きなんだけど……」
どうも歯切れが悪いな。
「この店のカレーは制覇したから分かるけど美味しくないカレーなんてないぞ?」
さすが京助さん。
「……もしかしてカロリーとか気にするタイプ?」
その問いには少しだが頷いてみせた。ってちょっと待った、さっき結月を持ち上げたけど全然重くなかったけど……
「結月、身長は?」
「156だよ」
「体重は?」
「聞いちゃうそれ?46だけど」
「軽……」
身長と体重の比を考えたらモデルなみの体型だな、ぺったんこを除けば。
「絶対に失礼なこと考えてたっしょ?」
「別に。そんなに軽いんだからカレーぐらい大丈夫なんじゃない?」
「チッチッチッ、三味さんは解ってないな~カレーは炭水化物の塊だから油断したら体重ボンッ!なんだよ」
本当にめんどくさいな……。
「そんなに食べたくないなら俺が食べようか?」
結月の前からカレーを取ろうとした京助からカレーを死守する。
「食べたくないなんて言ってませーん、食べるもん。ガツガツガツ……」
まだ食べてもいないのに効果音を喋るな。……こう言う人種を残念美人とでも言うのだろうか、そう思うとなんか可愛そうになってきた。絶対に性格が災いして人生を損しているから。
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