12人が本棚に入れています
本棚に追加
/312ページ
買ったカードをポーチに閉まったゆんに手を引かれて着いたのはさっきより更に人が多い、
「ゲームセンター?」
「そうなのです」
入りたくないなー、ゲーセンなんて何年ぶりに来るだろうか。たぶんこれからも含めて僕の人生の中で無縁であろうものの1つだ。ちなみに残りはパチンコとタバコ。
「それでゲーセンで何をするの?」
最近のゲーセンは凄いな、見たことの無い筐体が沢山ある。サイコロみたいなのとかドラム式洗濯機とか。
「やりたいのは沢山あるのですが流石にお兄さんと一緒に来ているなかやるわけにはいかないので……」
僕なんかに遠慮しなくてもいいのに。
「とりあえずプリクラをとるのですっ」
あー、プリクラね。それなら解る。
と、思っていた時期が私にもありました。
「ねぇ、ゆん」
「?、どしたです」
「なんでこんなにいろんな種類があるの、何が違うの?」
目の前に並ぶカラフルなプリクラの筐体。別々のモデルさんが写ってたらするが違いなんてまるで解らない。……ってか顔だけなら結月の方が綺麗だな。
「私もよく分からないですし気にしたこと無いのです。どれでも良いから適当に入るですよ」
そう言って適当に空いているのに入っていくゆん。本当に種類はどれでもよいみたいでむしろ早く撮りたいようにかけていった。僕もゆんを追って中に入る。
「プリクラって400円もするんだ。地味に高いね」
400円あったらいろいろ出来るよ。
「確かにそう思えるかもしれないですが基本プリクラは数人で撮るものなのです。だからそう考えるとそこまで高くもないのですよ。世の中はソロプレイヤーに厳しいです」
さらっと何を言っているんだ。
「とは言っても中学生には高いお金なのでここはお兄さんの奢りという形でいいのです?」
おい30万。
まあ僕の中で早く済ませて帰りたいって気持ちもあったから素直に財布から100円玉を4枚取り出して入れる。
「やった、お兄さんからのプレゼントなのですっ!」
手を合わせて楽しそうにするゆん。成る程そう言うわけね……回りくどいが可愛いところもあるな。
最初のコメントを投稿しよう!