大家族

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「プリクラを数人でとっといて要らないってどんな虐めです、お兄さんっ!」 プリクラを半分に切って僕の財布に入れる。 「これは財布の中に大切に保管するです。分かったですか!」 「……分かりました」 「うん、よろしいのです」 「それはそうと兄さん、私ともプリクラ撮りませんこと?」 僕とゆんの間にぐいっと割り込んで入って来て腕を引っ張る。 「いろはちゃんはお兄さんと二人で旅行に言ってとてもいい思い出写真をとってるじゃないですかー、ずるいのですっ!」 ゆんが指差したいろはの首もとには僕が上げた直径5センチくらいの黒いロケットペンダントがぶら下がっている。かつて僕が信頼していた人から貰った物で今はいろはの物だ。中には見開くように2枚の写真が入っている。その内の1枚は僕といろはが旅行した時に撮ったものだ。 「これはこれ、それはそれですわ」 「むー、いろはちゃんはたまに理不尽なのです」 「世の中そんなものですわ。さ、兄さん行きましょう」 「またか……」 いろはに連れられ再びプリクラへ。決めた、もう暫くゲームセンターには行かない。 「疲れた……」 撮り終わったプリクラに2人でいろいろ描いている。なんだかんだで仲が良いよな。それにしても女子ってなんであんなにパワフルなんだろうか。 「御待たせしましたわ兄さん。どうぞ」 「どうも」 こんどはいろはから受け取ったプリクラを財布に入れる。それを見ていたいろはは満足そうに頷く。 「それで次は何処に行くのですか、兄さんにゆん」 「はい、次はジュエリーショップに行こうかと」 あ、まだ帰らないんだ。 「そんなとこで何を買うの?」 「そんなの決まってます」 「ふむ……」 どうせ装飾品を買うならゆんに渡したい物もあるし、 「なら僕のよく行く店に行かない?ゆんに渡したい物もあるそんなに遠くもないからさ」 「私に渡したいものです!?楽しみなのですっ」 「じゃあ行こうか」 本当はもっと早く渡して起きたかったけど去年は忙しくてそれどころでは無かったし…… かつて腐っていた僕を助けてくれたのはゆんだった。彼女のお陰で今の僕が存在する。ゆんは命の恩人なのだ。 「着いたよ」 3人で歩いて約20分、目的のジュエリーショップについた。
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