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ピンポーン……ピンポーン……
「…………」
目を開くとそこにあるのはいつもの天井、いつもの風景。携帯で時間を確認したら午前7時を少し過ぎたところだった。
「夢……?」
なんだろう、夢を見ていたことは解るがどんな夢だったか思い出せない。何故かとても大切でそして懐かしい夢を見ていた気がする。
携帯で時間を確認したら午前7時を少し過ぎたところ、昨日は早く寝たから全く眠くは無いがなにぶん布団の誘惑は強力だし思い出せもしない夢のせいで少し不思議な感覚に陥っていた。もうちょっとだけこの感覚を味わっていたがったが現実と言うものは残酷で、
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン。
「うるさい、いろは」
「おはようございます兄さん、朝ですわ」
「知ってる」
なかば叩き起こされてドアを開けたら笑顔のいろはがいた。起こしてくれたのは嬉しいがあんなに鳴らさなくても……。僕は寝癖が酷い頭をくしゃくしゃに掻いてから一旦玄関を閉めて部屋着からブレザーに着替え玄関を出た。
「よ、おはよう三味」
すぐな僕に気づいた京助が椅子に座ったまま挨拶をしてきた。毎度の事ながら京助は朝に強くて低血圧の僕からしたら羨ましい。……まぁその分かは知らないがよく授業中に寝ている。
「おはよう京助、朝から元気だね」
京助の横に座りながら返す。
「あったりまえよ。今日から新学年なんだぜ、今年1年は去年と違ってきっと楽しく過ごせるぜ」
「そうだね」
去年の学園生活が走馬灯のように頭の中を駆け巡るが残念なことにまともな思い出が見当たらない。体育祭にいたってはサボったし。
「それにしてもクラスのやつらと会うのも2週間ぶりかー。少し楽しみになってきた」
クラスのメンバーの名前を半分も覚えていない僕からしたらなんとも言えないな……。話しかけられた時とか名前解んないからどう対処すればいいのか非常に困ったりするのだ。
いや、1年間同じクラスにいて名前を覚えていない僕に非があるのは分かっているんだけどさ。でも面倒くさいじゃん?これは極論になるけど高校時代の友達って卒業したらほとんど会わなくなるだろうしね。実際、中学時代の友達で連絡を取り合っている友達はいない。人生一期一会ってね、だから人生は面白い訳だしね。
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