新たな1年

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はてさて困った。いざゆんの目の前まで来たがどうやって起こそう……声で起きるとも思えないしな。肩を持って揺らしてみるか? 「起きなってゆん」 「…………」 全く起きる気がしないんですけど。 「クスクスクス」 「笑ってないでどうにかしろよ」 「兄さんたらだらしない……最終手段です、マカロン」 「ワゥッ!!」 いろはの後ろから勢いよく飛び出してゆんの顔をペロペロなめるマカロン。最初っからそうすればいいのに。 「兄さんを呼んだのにもちゃんと理由があるので安心してくださいな」 「あっそ……」 何気に心を読むな。 「うーん……マカロン?くすぐったいって」 ん、起きたか? 振り返るとマカロンごと毛布を押して上半身だけをゆっくりと起こして眠そうな目を擦る。って……マジか 上半身を起こしたゆんは下着姿、上はブラの上にタンクトップを着ているからまだ問題ないが下はパンツしか着けていなかった。なんで服着ないんだよ。 「……お兄さん、なんでここにいるです?」 「お、おはよう」 周りをキョロキョロしているゆんに咄嗟に出た言葉はそれだった。眠そうに目を擦る、たぶんまだ状況が把握出来ていないだろうな。 「ごめんゆん、僕すぐに出ていくから」 後ろで笑いを堪えているいろはの横を通り部屋を出ようと試みる。これは罪悪感よりは逃げる意味合いが強い……。 「…………?」 僕の言葉にキョトンとしているゆんにいろはが、 「フ、フフ……ゆん、下ププ……」 もう悪意意外の何物でもなかった。そして下を見たゆんは少しずつ状況判断したのか頬がみるみる紅くそまり何度も僕と自分の姿を交互に見ていた。 「あぁあぁぁぁ……」 あ、やばい気がする。ゆんがプルプル震えだした。 「きゃぁあぁぁぁぁぁーーー!!」 「はっはっはっ!!」 耳に刺さるような大声で叫んだ後、布団に隠れるゆんに我慢の限界が来たのか涙を流して笑ういろは。 「あ、何。何があったの?」 このカオスな光景の中野次馬の声が外からしたので、 「いいからテーブル戻るよ」 小走りで来た結月をUターンさせて席に戻る。 「えー、つまんないにゃー」 「五月蝿い」 まぁ経過はどうあれあんだけ目が覚めれば起きて来るだろうし。
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