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「前の学校は忙しくてあんまり行くことが出来なかった。中学くらいからずっとそんな感じ、出席日数ギリギリで友達も数えるほどぐらいしかいなかったから。三味さんなら分かるでしょ?」
果たしてどこに賛同しろと言っているのかは解らないがとりあえずは、
「分からないし興味も無いよ。僕と君は違う、結月の事情は知っているけどそれを僕がどうこう言うこともしないよ」
とある事情で結月はまともな学園生活を送れてこなかったと言った。詳しくは話さないがこれまでの結月の人生はあまりにも残酷で非常なものだったはずた。彼女自体あんなキャラだからそんな生活の中でも楽しみを見つけて生きてきたのだろう、少なくとも僕が初めて結月と出会った時はそう見えた。
「もしかしてですが三味さん、私のこと嫌いですが?」
この空気の中でそんな話を入れてくるか……真面目なのか不真面目なのか、馬鹿そうに見えて対話術だけは一流なんだよな、心を読めない相手ほどやりにくい相手はいない。そしてその質問は根本的に間違っている。
「僕の基準は好きか嫌いかじゃないよ。関心があるか無いかだよ」
黙って見つめる結月に僕は目を合わさず前を向いたままそう答える。これ以上は恥ずかしいんだから言わせるなよ。
「興味があるか無いかって事だよね。興味がない人と話すわけが無いし……ふふっ、三味さんツンデレなんだからぁ~」
笑顔に戻り僕の頬をぷにぷにとのつついてくる結月。笑顔も含めてかなりうざ……
「さっきも言ったけど君の過去なんて知らないし興味もない。だけど君自信には興味はある。一緒にいて楽しいことには間違いないんだから」
……我ながらかなりめんどくさい人間だな。なんか結月相手だと調子がでない、別に結月が好きとか嫌いとかそんなんじゃ無いんだけど昔僕の近くにいてくれた女性と性格が違いすぎてどうも難しい。僕自体会話が得意でもないし好きじゃないんだ。
「……素直じゃ無いですねぇ三味さん。あ、因みにだけど私は三味さんのこと好きだよ?」
……また突拍子もないことを。
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