新たな1年

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京助のでかい声にでも誘われたかクラスの中から出てくる堺。髪方目が隠れるくらいにボサボサ目の下にはうっすらクマができそれを隠すようにメガネをかけている。そしてシャツの下に着ている下着には、 「俺の嫁は引きこもり?」 なんか書いてあった。意味分かんないから京助の方を見たがどうやら彼もよく解らないみたいだ。聞こうとも思ったが聞いたら負けな気がするから聞かない、しかし 「お、このシャツに気づくとはさすが如月さん。ぱないっすね」 どうやらもう手遅れみたいだ。だが堺と友達として絡んでいる時間は結構好きだ。たまに理解不可能な発言もするが彼と遊んでいる時間は楽しい。 「で、それどんな意味なの?」 嫁……オタクにとっての嫁の定義ってなんだっけ、なんか普通とは違った気がするんだけど。 「そのままの意味だよ、リア充には一生解んないかもな」 なんだなんだ? 「あ、そういう意味か。察してやれ三味」 「けっ」 察してやれと言われても意味が分からないし……堺は何故か不機嫌そうだし話題変えるか。えーっと、 「堺、メガネ変えた?」 「お、気付いた?いやー、春休みずっと積みゲー消化してたら視力めっちゃ下がってさー、強くしたのよ。こんな些細な変化に気付くとはモテるわけだよ如月」 適当に言ったらまさかの当たった、人のメガネとかいちいち覚えてないって。だが微妙に尊敬の眼差しを当てる堺の前でそんなこととても言えなかった。言ったら言ったで面白そうだけどさ。 「あー話し変えるけどさ。席表見た?俺の後ろなんか名前が無いんだよしかもちゃんと数えたけど」 「あー転校生じゃない?(棒読み)」 「あーそうかもね(棒読み)」 堺から目を反らす。京助に至っては下手な口笛を吹いてる。 「なんで棒読みなわけお二人さん……」 「そ、そんなつもりはないですよー(棒読み)」 「もういいよ京助」 楽しんでるな京助。 「でもさ、転校生だったらめっちゃテンション上がるんだけど!男?女?女の子だよね~」 女の子どころか超美少女です。ただし性格に難あり。難ありってレベルじゃないけど。 「堺、もしかしたら物凄いレベルのイケメンかもしれないぜ?」 「あ、いや、イケメンは間に合ってるんで」 そう言って僕と京助を交互に見る堺、何故僕を見る。
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