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「佐倉さんの席はあそこになるからね」
「結月で良いですよ里美ちゃん」
先生が指差した席に着く結月。その席に沢山の目線が行く中、先生が声をあげる。
「はいはい、今はホームルーム中ですよ。静にしてくださいね」
少しざわついているがそれでもなんとか静かになるクラス。
「じゃあ長い話もする気は無いので今日はクラス委員長と副委員長、それに書記を決めたいと思います」
その言葉に再びざわつくクラス。誰もやりたくはないからな。
「ではやりたい人は挙手っ!」
「あのやり方じゃあやりたい人なんて出てこないよな」
「だね。堺、やれば?」
「えぇっなんで俺!?」
僕は堺に近づいて耳元で呟く。
「委員長だよ委員長、きっとモテるんじゃないか?」
絶対に無いけど。
「そうか成る程!」
お、行けるか?
「ってなるかい!」
「おーー」
部屋中に響く見事な突っ込み。やっぱそうだよね、思わず声をあげてしまった。
「分かっていた事だけど立候補する人なんていないよね。どうしましょうか……」
今日のホームルームの一番の課題はこれ。だけどなかなか決まるものじゃ無いってことは分かってた。なんか自然とクラスの温度も下がってる気がするしどうしたものか……。
そんな時だった、僕の左後ろに座る美少女が余計な提案をしたのは。
「如月さんがクラス委員長をするなら私が副委員長しちゃうよ、嬉しい?」
「…………」
確かに残り一年の学園生活を楽しみたいとは言った、でもこれは違うのではないでしょうか。そして温度が下がっていたはずのクラスは一気に熱を取り戻した。
「えっ何、佐倉さんと如月知り合い?」
「一つ屋根の下で暮らしています」
「結月てめぇっ」
「え、如月君が佐倉さんを下の名前で呼んでる」
「一体どんな関係……」
とたんに騒ぎ出すクラス。正直やってしまったとは思ったけど。
「はいはい、はら俺も副委員長するよ。二人でしょ」
「流れに任せて何を言ってんの京助!?」
あぁ、絶対にキャラが崩壊してる。もういいや……
「じゃあそれでいい、如月君?」
「……荒垣先生、今の話の流れ聞いてた?」
「如月君がクラス委員長なら皆着いて来そうじゃないですか」
「今はそんな話じゃないよぅ里美ちゃんっ!!」
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