12人が本棚に入れています
本棚に追加
「いぇーい、じゃないよ。なんで既に決定事項みたいな感じで言ってんの?」
京助と結月が両方見える方を向いて当然の怒りをぶつける、だが敵は他にもいたようで、
「え、でも里美ちゃん黒板にもう書いてるよ如月くん」
「はい!?」
慌てて前を見ると綺麗な字でクラス委員長如月三味と書いてあった。どうでもいいが何故フルネーム?
「先生、まだそれ決まってない!」
「え、そうなんですか?」
いそいそと黒板消しで文字を消す先生、絶対楽しんでますね。
「だいたいここだけで勝手に決めちゃ駄目だよ、ちゃんと他のクラスメイトの意見も聞かないと!」
とは言ってみたものの他のクラスメイトの名前なんて知らない、誰に聞けばいいんだ?そしてその様子で全て悟った京助は、
「哲学」
「そこ黙る。えーっと……じゃあ去年委員長していた君、どう思う?僕なんかじゃ駄目でしょ?」
「三味焦りすぎでしょ、珍しいな」
「如月さんたまに子供みたいなところがあるからね。それがまたいーんだよね、ふひひ」
京助と結月がなんか喋ってるが気にしない、他人に構っている暇はない。とにかく去年の委員長に援護を覚える、名前は知らない顔は覚えている。
「え、如月君だったら心配無く任せられます。よろしくお願いしますね」
喋った事も無いし学校サボりぎみの僕に何故任せられるの全くもって理解できない。
「天性のカリスマだね」
「何気にクラスでは優しいし人徳もあるんだよなあいつは。それにあの委員長さんは優しいからな、あいつを委員長で縛って学校をサボらせないでちゃんと卒業して欲しいんだろう?」
それを聞くとすんごい断りづらいんですけど。
「それ本当?」コソコソ……
「知らない、三味には言うなよ」コソコソ……
どうする、退路が全く見当たらない……結月が余計な事を言わなければ。
「あとひと押しだね……かつて魔狼のネゴシエーターとばれた私の力見せてあげます。如月さーん」
「なに?」
「逆にどうしてクラス委員長になりたくないの?」
「え、面倒でしょ」
他にある理由と言えば目立ちたく無いとか?
「でもクラス委員長って青春って感じしませんか?」
否定はしないが、
「それで?」
「手厳しいね如月さん……」
最初のコメントを投稿しよう!