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「少し話は変わるけど例えば生徒会ってどう思う?」
「生徒会?」
生徒会って実際何やっているか分からないところがある。そういえばいろはは生徒会長やってるとか言っていたな。
「そもそも生徒会ってのはね、自発的に出来た生徒の組織で本来はその学校の生徒全員が所属しているんだよねー。だから貴方も私も生徒会?」
「なんで疑問系なわけ?」
「そんな話はいいの、そんな話はいーの。はい、大事な事なので二回言いました。つまりはかの学校の生徒会は貴方も私も他の皆も所属していて貴方の居場所なんです。そしてその生徒会の代表が生徒会長率いる生徒会役員なんだよね」
敬語やため口が混ざって聞きづらいな。普通にため口でいいんだけど。
「約束したんじゃないんですか?」
………………。
「誰から聞いた?」
「いろはちゃんです」
いろはか……余計な事をよりにもよって結月に。
「生徒会以前にこのクラスは貴方の所属する場所です。いつか帰ってくるあの人の為に居場所、作りましょうよ。京助くんや勿論私だって手伝います。きっとそれをあの人も楽しみにしているんじゃないかな?」
…………ふ。
「結月、その名前を使うのは卑怯じゃないか?」
「私が三味さんや京助くんとこの一年を楽しみたいのも勿論事実。それに私は三味さんは変われる人だと思っているからねー」
それにしても居場所か。あいつが最も反応しそうな単語だな。僕の大切で唯一無二の大親友が。
「本当に食えないなお前」
「じゃないと今ここにいないんだよね、私」
「…………ふん」
本当に口だけは達者だよな、普段はどうしようもないへたれなくせに。
あいつなら僕に何を求めるのだろうか。一番近くにいたようで実は何も分かっていなかったのかもしれない。居場所か……
「……結月、今回はその話に乗ってやる。先生、僕が委員長をします」
「さっすが如月君。このクラスを一年お願いしますね」
そして自然とおこる拍手、なんか恥ずかしいな。
「まったく、素直じゃないにゃあ三味さんは」
「うるさい」
結月の言いたい事は良く分かっている。きっと僕も変わっていかないと行けないのだろう。それに学園を楽しむなら悪くもない。……自分の事ながら本当にめんどくさい性格してるよな。
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