新たな1年

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この学校、三年になるともうクラスなんて概念はほとんど無い。自分で授業を組んでその授業で単位を取って卒業するシステム、要するに大学と一緒。一日6時限授業(土曜は3時限授業)がありそれが月曜から土曜までで3学期で合計99時間の授業がある。授業自体は99時間の間に150ちょっとの授業があるけど学科によって必修科目があってその単位を取らないと卒業は出来ない、因みに37単位取れば卒業は出来るがぎっしり99単位取ることも可能。そんなこと僕は決してしないけど。 「とりあえず土曜は入れないだろ、休日ぐらいゆっくりとしたいからな」 「授業中基本寝ている奴の言うことじゃ無いよね」 ショートホームルームを終えてクラスには僕達(京助、結月、堺)含めて数名が残ってる。終わった直後は結月目当てにクラスの男女が集まって来て僕と京助はそっと離れて授業編成の相談をすることにした。この学校の3年は16クラス、637人の生徒が存在する(らしい)。部屋の問題で大学に移動することもあるし知り合いがいた方がやり易いでしょ。知り合いが極端に少ないだけだが…… 「あーあ、哀れだな」 質問攻めにあっている結月を薄い笑いで見ている京助。僕もその視線につられて軽く笑う。 「三味を委員長にする為に目立ちすぎなんだよな」 「同意」 愛想笑いで喋り質問攻めにあっていた。京助の言う通り転校初日から目立ちすぎだ。転校生ってだけで注目を集めるってのに容姿がいいし明るくて話しやすいから自然と人が集まる。だが苦笑いをしている結月を見ているのは悪い気はしない、いつも人を見透かしているような奴だ。僕や京助に絡む時はこっちの性格を見透かしているが逆に純粋な眼差しで見られると対処出来ないだろうなぁ。 「あ、目があった」 「無視だ無視」 こっちにまで被害が来る、そんなのごめんだ。 「お二人さん、ご一緒してもいいかな?」 そんな事を考えていたら何処からやってきたのか堺が例のプリントを持ってやって来た。 「うん?堺は結月とは話さないのか?」 去年の話になるが自分で二次元専門とか言っておいて普通に美人や美少女には目がなかったりする。あ、因みに二次元っていうのはアニメとかマンガとか言うらしい、堺が言ってた。
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