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「こんな感じでどうだ?」
京助から渡されたプリントは必修を押さえてなおかつ午前の授業はほぼ入ってない完璧なものだった。さすがは京助、完璧な仕事だ。
「ありがと京助。これでいこうかな」
「なになに、見せてよ」
「うわっ」
机に置いてあるプリントに群がる堺と結月。
「さっすが三味さん、必要最低限の授業しか入れてない。そこに痺れる憧れるぅ?」
「五月蝿い、意味わかんない」
あと何故疑問形なんだよ、疑問形なのはこっちだよ全く……。
「こんなの終わらせて早く帰ろう」
今日は始業式しかなかったからまだ正午を回って少ししか経っていない。朝はさっさと終わらせて帰って寝ようとも思ってたけどいかんせん時間が経ちすぎて眠気もとんじゃったしな、普通ならこのあと遊びに行くとかならカラオケとかボーリングとかゲームセンターとか言うんだろうけど歌は特別上手くないしボーリングなんかやったことない。いや、カラオケも行ったことないけどさ……こんな時無趣味は辛いというかやることないよな。
「早く帰ってもどうせすること無いだろ三味は」
さすがは京助、よくお分かりで。
「じゃさ、みんなでカラオケ行かない?」
「パス」
「俺も」
「即答ですかっ!?」
さすがは京助、京介は少し音痴だししかもそれを自分で分っているからタチが悪い。カラオケなんて絶対に行かないだろうな。
「ってか堺、そんなにプリントとにらめっこしてどうしたんだよ」
そんな京助の言葉に堺の方を見るとほとんどプリントに手をつけていない堺の姿があった。そしてまるで苦虫を噛み締めたような顔をして、
「いや、二人とも最低限の授業しか入れてないね」
「?、そりゃあそうでしょ」
必修含め単位が一個余る程度の時間割を組んでいる。勉強は嫌いじゃないとさっき言ったけど基本自分のペースでやりたいから授業と言う形自体があんまり好きじゃない。僕個人的にはすごく効率が悪いと思う。
「あ、ご察し」
どうやら京介はにらめっこの理由が分かったらしい。こんなの考えるだけ無駄だから感とか勢いでぱっぱ決めちゃったほうがいいのに。
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