新たな1年

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結局堺のプリントは僕や京助も混ざって比較的簡単に取れそうな授業を詰めることによってなんとか終を見ることができた。去年までの堺ならともかく今年の堺はなんか分からないけどやる気に満ち溢れているからまあ問題なく卒業する事はできるだろう。そんなわけでプリントの提出は明日でもいいから今日はとりあえず下校だ。特に予定なんてないけど学校にいる理由も特にない。靴箱で履き替えてなんとなく皆の後ろを歩いていた。 「いやー助かったよみんな。おかげでなんとか卒業出来そうだ」 まだ授業すら受けてないのにこの自信は一体どこから来るのだろう。確かにポジティブなのは良い事だとは思うが。 「勉強も勿論大事だけどやっぱ高校最後の年だし沢山いろんな事して楽しみたいよね。体育祭に文化祭、修学旅行に卒業旅行。今から楽しみだよ全く」 つられたかはたまた元々か同じようにテンションの高い結月。そんな彼女を後ろから引き笑いで見ていたら振り向いた彼女と目が合ってしまった。 「ほら三味さんもそんな気だるそうな顔をしないで、ワクワクしませんか?」 少なくとも今だけは含みのない純粋な笑顔を見ているとそんなのも悪くは無いと思える自分がそこにはいた。一年前の自分ではきっと想像も出来ないだろう。 「悪くないと思うよ」 こんな感情はいままでで初めてだ。これであとあの馬鹿なあいつがいれば……、 「三味、そんな暗い顔するなって」 「あぁ、悪い……」 全てを知っている京助、 「それにしてもなんで如月の周りには美少女がこんなにも集まるんだよ。佐倉さんにしても空ちゃんにしても西野園さんにしてもさ」 噂をすればなんとやら、か…… 「空はいま日本にいないよ。カトr……こほん、母さんと一緒にイギリスで暮らしているから」 如月空。みとれるほどの綺麗なセミロングの金髪と青と黒のオッドアイが特徴の僕の妹、いろいろとあり僕と血は半分しか繋がってなく去年までは一緒に暮らしていたが今はイギリスで暮らしている。 「へぇ、まあ多くは聞かないけどさ。じゃあ西野園さんは?もしかして佐倉さんとかと同じで一緒に暮らしているとか?」 「西野園ね……」 ついこないだのことだったのにまるで凄く昔のことのように思える。 「彼女ならもうこの世界にはいないよ」
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