fragment -機械仕掛けの女神-

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西野園麻里。 身長162cm、体重60kg(理由有り)、そして今年で歳は18。 とても整っていて綺麗な顔とモデルに引けを取らないそのスレンダーな体型、それに少し青みがかった長いストレートの髪が特徴。 上の説明通りとっても綺麗で結月が圧倒的な美少女なら西野園は絶対的な美女である、因みに胸はCカップ(堺曰く)。 血の繋がりはないが彼女は僕の大切な家族で出会ってからの三年間、僕をひたすら支えてくれた大切な大親友、大切な家族だ。 西野園と初めて出会ったのは僕が中学二年生の時でその時の僕はとある理由で腐っていた。今の僕は暗いだけだが昔は腐っていたのだ。生きている意味を見いだせずに無駄に時間だけが流れていき気が付けば中学生になっていたって感じだった。友達も要らなかったし誰とも喋りたくも無かった。今思えば一般的に黒歴史と言うやつだったのかもしれないが僕はそんなことは思わない、それだけの理由を持っていたから。 その時の僕の日課は教会に行くことだった。誰もいない静かな空間になんとなく神聖な感じがひしひしと伝わってきて嫌なこととか全てを忘れる事ができる。学校の帰りに行くと夕日が挿して少し幻想的、そんな空間が大好きだった。そんな教会には孤児院があった。いろんな理由で親と離れた子供……僕も十分子供だが同年代やそれより下の子供が十人いないくらいいた。そしてそこで僕は彼女と出会った、片足の彼女……と。 死んだような暗い瞳、長い髪で顔は半分隠れて別の日に来ても全く同じ場所に居てそして右足が無かった。 西野園は家族旅行中の船での事故により家族と右足を失くし心肺停止状態で病院に運ばれてなんとか一名を取り留めたものの同じ年頃の女性が数人亡くなった上に彼女が全く喋らないし身元が分かる物も持っていなかったから最初は名前も解らなくて病院側も困っていたところに偶然来ていたシスターが彼女を引き取った。のだが、 彼女は何も喋らないし何も口にしようとしない。ただ無駄に時間を貪り意味もなく生きる、そんな西野園を見ているとまるで自分を見ているようで不愉快だった。その時の自分がまさにそんな状態だったから。大切な人を失って疑心暗鬼になって優しい周りの人にあたって……。 当時の僕はどうしようもないクズ人間だったから。
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