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「…………」
それにしてもすんごい西野園にくっついてるないろは。西野園歩きづらそうだな。だげど面倒だし自分に害がないから無しだ無視、触らぬ神になんたらってやつ。
「あのーいろはさん、少し歩きづらいのですが……」
「気にしては駄目ですわ姉さん。さ、行きましてよ」
「は、はぁ……」
後ろにいるから見えないが腑に落ちない顔してるんだろうな西野園。だけど再度言うが西野園もまんざらじゃないんだろうな、いろはみたいな可愛い妹ができたわけだしいろはも西野園に対してはほとんど毒舌を使うことないし。(僕には毒舌の嵐だ)
「いろはとも合流したことだし目的地に行きますか。西野園、次はどっち?」
「ちょっと待ってくださいね。えっと……」
れんとさんから貰った地図と携帯の地図アプリを見比べる。
「兄さんは方向音痴ですから……」
「五月蝿い、ぼそっと言うな」
西野園と同じこと言うな、それに断じて方向音痴ではない。
「分かりました、こっちですね」
「うーわ……」
そう言って指をさすのは人がさらに多くなる中央の通り。なんで人が多いとこを通ろうとするんだ、いやマジで人ごみ嫌いなんですよ西野園さん!
「でもここを通ると凄く近道になるのですが」
「近道というよりは中央通りですし通って当然の道ですわね、兄さんの人間嫌いに付き合う必要はないですわ姉さん」
ぐう正論だな。
「いろは僕のこと嫌いでしょ?」
「どうしてそうなるのです?」
「別に……まあいろはの行っていることは正論だし行こうか。別に人間恐怖症とかではないから」
「大丈夫ですか三味さん」
そういって心配してくれる、西野園は優しいな。
「大丈夫、早く着くならそっちのほうがいいしね」
「……結月さんとの扱いの違いに私(わたくし)草不回避ですわ」
「何か言ったいろは?」
「いえいえ、少し考え事していての独り言ですのでわざわざ兄さんの耳に入れるようなことではありませんことよ」
そうですか。
たぶん本当になんでもないんだろうけどやっぱトゲがあるな。
「じゃあ行こうか二人とも」
西野園曰く歩いて二十分かからないくらいでつくって言ってたから話しながら行ったらすぐに着くだろう。
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