fragment -機械仕掛けの女神-

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人混み避けながら先を歩く二人を追う、何でこんなに足が速いんですか、笑って喋りながら歩いているのに。 「姉さん、姉さんの部屋はどこですの?」 「私の新しい部屋は2514ですよいろはさん」 「私(わたくし)の部屋が2512ですから……間が一つ空いてますわね。誰ですの?」 「三味さんです」 そのとたん、前を歩いていたいろはがUターンして僕に向かってくる。因みに部屋の配置はこんな感じ。 2521、空き部屋 2522、相川京助 2523、天明れんと 2524、御鏡ゆん 2511、佐倉結月 2512、園山いろは 2513、如月三味 2514、西野園麻里 「兄さん!」 「な、なに?」 なんか凄い迫力、もうこの子がよく解らない。 「兄さん、私と兄さんの部屋交換しませんこと?」 「なんで?」 「姉さんの横が良いです私」 「そう言われてももう荷物とかあらかた運び終わったし面倒くさい」 なんとなく結月の部屋の隣は嫌だし。 「そこをなんとか兄さん!」 「まあまあいろはさん、部屋なんて何処でもいいじゃないですか。住めば都ですよ」 「そうですけれども……兄さんと姉さんの間が良いです」ボソッ…… 「どうしましたいろはさん?」 「な、何でもありませんわっ。わかりました、諦めます。あ、速く行きましょう!」 「ちょ、いろは」 「いろはさん!?」 僕の手を引っ張ってそのまま西野園に追いついたいろはは反対の手で西野園の手を掴んだ。 「目的地はもうすぐそこなんですから張り切って行きますわよっ」
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