fragment -機械仕掛けの女神-

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これが大体二週間ぐらい前の話となる。春休みの出来事になるが彼女、西野園麻里は自分の信念に従ってこの世界を去った。それは僕の為なのか彼女のエゴなのかはもう西野園がいないからもう分からないがきっと前者だろうな。彼女の自己犠牲精神は常人には理解しきれないものがある。勿論全く僕だって納得なんてしていない、だけど気持ちは少しだけわかる。もし僕が彼女と同じ立場だったら同じ行動をしていたかもしれない。 僕と西之園といろはは御鏡ゆんが偶然完成させた次元干渉装置、ようするにifの世界に行ける装置に乗せられて別の可能性の世界に着いた。そこでは日本という国は既に経済破産を起こしており存在していなくて如月財閥の経済力によりその姿を保っていた。そこで出会ったのが園山三味、もう一人の僕は女性で理由不明な病により病院での寝たきり生活を強いられいつ死んでもおかしくない状況だった。幸い僕たちの世界ではその病気は対処薬と治療方は編み出されており一命はとりとめたが今度は別の理由が財閥を襲う。経済破綻してしまった日本はもはや世界から国として認められていなかった。如月財閥が日本よりよほど大きな経済能力を持っていたとしてもそれとこれは全く別の話だ。しかし日本という国を如月家のお王家国家として復興させる動きが旧日本と財閥を援護するイギリスを中心に活発になっていた。しかし旧日本を手に入れたいと思う他の一部の国はそれを良しと思わなく旧日本の一部は紛争状態になっていた。要するに如月を王家とする国家が生まれるとその国の王女となる園山三味が命を狙われているのだ。あっちの世界の僕が苗字を変えているのは身を隠す為。 そんな中、とりあえずの園山三味の防衛に成功し紛争を止めさせることに成功して元の世界に帰ろうとしたがここで西野園がこの世界に残るといった。ゆんが作った次元干渉装置はその世界に居れる時間に制限がありそれを無視してそこに滞在すると次元の干渉力がなくなり元の世界に戻れなくなる。それを分かっていて西野園はその世界に残ると行ったのだ。西野園を実の姉のように慕っていたいろはは泣いたし僕もそれを否定した。でも、それでも西野園の決意は固くてどうしようもなく僕たちだけ帰ってきたのだ。
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