fragment -機械仕掛けの女神-

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世界中の誰よりも彼女を知っているつもりだったが彼女があの世界で何を見てどう思っていたのかまるで分かっていなかった。西野園はあの世界で言っていた。 (私が今日まで生きてこれたのは三味さんがこの世界の素晴らしさを教えれくれたから、こんなどうしようもない私に声をかけてくれたからです。だから私も同じことをしたい、今度は私が園山三味さんを救います。直接三味さんとは関係ないかもしれませんがこれが私の精一杯の恩返しの気持ちです。……不器用ですいません、でも全てを終わらせて絶対に私は三味さんの元に戻ります。だから待っていてください……楽しみにしていますね。三味さん) ……西野園は絶対に帰ってくると言っていた、そして楽しみにしているとも言った。ならば僕は彼女を信じて帰ってきた彼女の期待を裏切らない彼女が帰ってくる場所を作りたいんだ。西野園は僕が自分を救ってくれたといったがそんな事はない、西野園がいたから僕は今日までやってこれたんだから。人が嫌いで世界に嫌気が差していたこんなどうしようもない僕の世界に光をくれたんだから。 そんな彼女の期待を裏切れないでしょ? じゃあ僕は僕にできることをするだけ、それだけのことだ。高校最後の一年を楽しみにしていた彼女がを帰ってきたとき楽しめるように……。
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