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「よし結月、三味は確定として俺と結月でじゃんけんで決めよう、負けた方が委員会にいくってのはどうだ? じゃあ俺はグーを出すからな」
「分かった、じゃあ私はチョキを出そう!」
「おいおいおいおい」
何かがおかしいだろぞのじゃんけん、なんて八百長してやがる。
「じゃあ正々堂々勝負しようか」
「分かったよ京助君!」
僕の知っている正々堂々と違う……
「「じゃんけんぽん!」」
その結果は誰もが予想した結果だった。
「よし勝った! じゃあ俺は帰って筋トレするか」
「とっとと帰れ筋肉バカ」
結局帰ってもやる事それかよ、
「あー負けちゃったあ……仕方ない、ここは断腸の思いで三味さんと委員会に行こう」
「お前も帰れ一人で行く」
「ええーそんな事言わないで一緒に行こうよ、書記いないと辛いでしょ? 私に任せてよ、三味さんは座ってればいいからさ」
「…………そう」
本当に彼女が何を考えているのか解らない。初めて会った時からニコニコしていて本心読めないし。
「じゃあ行こうか、早く終わらせたいし」
「あーい、お供するよっ」
「ところで今日の委員会って何処であるの?」
教室に京助をおいて廊下に出るけど何処であるかなんて勿論知らない。いちいち結月に聞かないといけないのはなんとも歯がゆい。
「今日のは三年しか集合が掛かって無いからいつもは会議室か大学の講義室を使うみたいだけど今日は生徒会室で行うみたい。あと生徒会室はこっちだよ、どうせ場所知らないでしょ三味さん」
どうせ知りませんよ。
「じゃあなに、結月はいちいちそんな事まで下調べしているわけ?」
「別にそんな事しなくても友達に聞けばいいじゃん」
何を言ってるの、と言わんばかりのその発言。みんながみんな沢山友達がいると思うなよこのリア充が。そして勘の良い結月はそれを察してか、
「すいません三味さん」
「謝るな、こっちが惨めになる」
二年いた僕よりまだ一か月の結月の方が友達多いとか本当にコミュニケーションの塊だよな。学校数えきれないくらい休んだ僕が言うのもそうかとは思うけど。
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