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「………………」
「………………」
内容そのまんまだな。
「ええとね……役職を決定したら、次は武装の決定をしないといけないみたいだね」
魔王さまがマニュアルを読み上げてくれた。
「武装?」
「って、魔王さまの?」
「そう。うーん。武装かぁ……やっぱり魔剣とか魔槍とか、魔王らしいおどろおどろしいものがいいかな~?」
魔王さまが自分の武装について色々と考えている。
優先事項は『魔王らしく』ということであって、それ以外は割とどうでもいいらしい。
もちろんそんな状態をナギが放っておくわけもなく、
「魔王さま!」
「うひゃいっ!?」
「……って、おいおい」
ナギが魔王さまに進言しようと前に出たのはいいのだが、前に出たついでに魔王さまの尻を撫でるというのはいかがなものか。
セクハラ君主にセクハラ将軍って、魔王軍ダメダメじゃん……。
ダメすぎるだろ……。
「何するのさナギナギ!」
涙目で抗議する魔王さま。
もっと怒ってもいい。
「魔王さま。愛人たるオレにはいつ如何なる時も魔王さまのお尻を撫でる権利があるっすよ」
「そうなの?」
「そうっす」
納得しかける魔王さま。
「じゃあ仕方ないか~」
「そうそう仕方ないっすよ」
「んなわけあるか……」
殴り倒してでも突っ込みたいところだが、魔王さまのセクハラダメージが抜けていない俺にはその気力が残っていない。
精々呟く程度だ。
それに恐らくこの二人は突っ込みを入れたところで焼け石に水的な予感がある。
「話を戻しますけど、魔王さまの装備についてはこの将軍ナギナギに任せて貰いたいっす」
「お任せコース?」
「そうそうシェフのお任せコース的なノリで」
「お前シェフじゃねえだろ……」
俺の力ない突っ込みはもちろんスルーされた。
とても悲しい。
「いいですか。魔王さまの属性は『魔法少女』であり、『魔法少女』とは杖を構えて魔法をぶちかましながら世の中のロリコン達に夢と希望と萌えを振りまく存在なんっすよ」
「へえ~。すごい存在なんだね~」
「………………」
独断と偏見に充ち満ち溢れた知識を魔王さまに植え付けているこのダメ将軍をどうしてくれようか。
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