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確かに局所的な見方をすればそういう側面があることも否めないが、それでもそれが全てではないだろう。
というか一部だろう。
大多数の意見をここで述べさせて貰うなら、魔法少女とは自らが住まう町で起こる小さな事件を知恵と勇気と魔力で解決しながら、未来ある子供達に夢と希望を振りまく愛すべきキャラクターのはずだ。
そう、魔法少女とは本来子供向けのアイドルであって、断じてロリコン向けの萌え対象ではない。
……はずだ。
「だから装備品も武装も『萌え』るものでなければダメなんっすよ」
「なるほど。要するに『恐怖の魔王』じゃなくて『愛され魔王』になればいいんだね?」
「いえーっす! その通り! さすが魔王さま理解が早い!」
「……早すぎる気がするけど」
盛り上がるナギ将軍。
ちょこっと引いてしまう俺。
「管理者権限が利用できるなら上限はあっても装備はそこそこのスペックで創れる筈っすよね?」
「出来るよ。設定値の上限さえ守ればあとはデザインするだけみたいだね。一応管理者側のデザインがいくつかあるけど、全部魔剣とか魔槍とか、魔王っぽいものばかりかも。魔法少女っぽいものはないなぁ~」
「分かっていないな管理者め。まあいい。デザインはこっちで出来るみたいですし、オレに任せてもらえないっすか? コスチュームから武装まで、オレが裁縫師としてきっちりデザインしてみせるっす!」
「……コスチュームはともかく武装は裁縫師関係ないんじゃ?」
きょとんと首を傾げる魔王さま。
「ノンノンノン♪ 確かに鍛冶仕事は専門外っすけど、今回はデザインしたものに管理者権限で数値を組み込むだけでしょ? だったら『デザイン』はオレの得意分野っすよ」
「あ、なるほどね~。じゃあお任せしようかな。可愛いのを作ってくれると嬉しいな」
「お任せあれ!」
「お兄ちゃんが萌えてくれるようなもの希望~」
「じゃあミニスカ仕様にした方がいいっすかね?」
「タイツと生足だったらどっちが萌えてくれるかな?」
じぃっと俺の方を見る魔王さま。勘弁してほしい。
「ここは両方楽しめるニーソ仕様っていうのはどうっすかね?」
「にーそ?」
「絶対領域とも言うっすね」
「んー。そっちはまだ勉強不足~。今度外部アクセスして勉強しておくね~」
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