第1章

9/18
前へ
/20ページ
次へ
家に帰って支度を終えて、学校に向かった。 教室に入ると、そこにはすでに麗がいた。 「おはよー、麗ちゃん」 「ひな、あさからあんたにいいニュースがあるよ!」 朝の挨拶そっちのけで、麗ちゃんはニヤニヤしながら話す。 なんだろう、その笑顔にロクな予感がしない。 しかも、朝からすごいハイテンション。 「なに?いいニュースって」 「聞いて驚かないでよ、実はね、合コンのセッティングが出来たのよ!」 「ご、合コン?!」 やっぱり予感は外れてなかった。 「そうよ、合コン。しかもね、相手はなんと白金高校よ!もうイケメンだらけよ!」 「で、でも、わたし、合コンは……」 合コンなんて、絶対無理だ。 人見知りだし。 男の人あんま得意じゃないし。 それに白金高校って、イケメン多いらしいけどちゃらそうなイメージだし。 「行かないなんて言わせないわよ」 返事を聞く前に麗に先に言われてしまった。 「でも、本当に合コンなんて初めてだし、怖い……」 「そんなんだから彼氏できないのよ!ムリだったら途中で帰ってもいいしさ!」 「でも……」 「でもは禁止!」 今日の麗ちゃんは、いつもより手厳しい。 わたしのことを心配してくれてなんだろうけど。 「行くわよね?」 高圧的な麗ちゃんの言い方に、わたしは頷くしかなかった。 まぁ、途中で帰ってもいいみたいだし。 怖いけど、男の人に慣れるためにもいい機会かも、なんて思ってた。 「あ、ちなみ女子は私達の他に私の中学時代の友達がいるから」 「そうなの?」 「うん、いい人達だから安心して」 麗ちゃんがいい人というのだから、わたしも信頼できそうだ。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加