17人が本棚に入れています
本棚に追加
祐は面食らったって顔で、驚いて目を見開いていた。
でも、すぐいつもの無気力っぽい目に戻ると、
「こんなとこで何してるの?」
と、わたしに聞いてきた。
わたしが聞きたいよ!
って言ってやりたかったけど、言葉が出ない。
だって、さっきの準備室から出て来た祐がしてたことって、頭の悪いわたしでも分かっている。
「か、帰る……」
他に思い浮かばずに、単語で答えた。
祐はわたしの顔をじーっと見てから、ふっと笑った。
だけど、その笑い方がいつもの優しい感じではなくて、あざ笑うような、わたしに見せたことがないような笑い方で驚いた。
「祐、」
「ひな、合コン行くの?」
気になって話しかけようとしたら、思いがけない言葉に驚いて息を呑んだ。
「え、何で知って……」
もしかして、朝の会話聞いてたの?
「ふーん。やっぱり行くんだ」
ビー玉のような綺麗な祐の瞳が揺らいでいる。
まるで、怒っているかのようだった。
でも、わたしには祐がなんでそんな怒りを含めた目をしているのか分からなかった。
「日向くん、誰、その子?」
準備室の中から女の人が出て来た。
その女の人はうちの学校の制服のワイシャツを全部外していて下着が見えてて、さっきまでの行為を裏付けるものだった。
すごく綺麗な大人っぽい女性だった。
学校でも見かけたことがあるかも。
「わ、わたし帰る!」
2人を見ていたら何だかこっちまで恥ずかしくなってしまい、わたしは慌ててその場から逃げた。
後ろから祐の声が聞こえたけど、そんなこと気にしてられなかった。
最初のコメントを投稿しよう!