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今までこんなに走ったことあったっけってぐらい全速力で、昇降口まで走っていく。
昇降口には、麗ちゃんが待っていた。
「もうおそいー。ケータイあった?」
「あ、ケータイ……!」
そうだ、わたし、ケータイ取り行ってたんだった。
あんなとこ見ちゃったから、すっかり忘れてしまった。
「え、まさか忘れたの?」
「う、うん…」
「もう、何しに行ったのー。取り戻ろっか」
そう言って、靴を履き替えようとする麗ちゃんをわたしは急いで止めた。
「いや、大丈夫!本当に大丈夫だから!」
「でも、ケータイないと不便でしょ?」
「平気だよ!本当に大丈夫!ほら、もう時間だしさ!」
だって、もしかしたら、祐達にあってしまうのかもしれない。
そんなことになったら、気まずいなんてもんじゃない。
わたしの必死な様子に不信に思ってる麗だったけど、合コンに行きたいのだと勘違いし、
「そうね、合コンだもんね!」
とテンション高めだ。
わたしは内心ホッとしたが、ちょっと今の麗のテンションに合コンが不安になる。
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